卒FITという言葉があります。
2009年に国が太陽光発電などの余剰電力を買い取る制度を作りましたが、期限は10年ということを知っていましたか?早い人では、2019年11月に終了する家庭が出てきます。当時は、買い取ってくれる、儲かるということで、そういうマイナスのイメージはあまり口にされなかったかもしれません。
当時の買い取り価格は、購入価格の倍だったため、新築があると、かなりの割合で設置されていました。その後は、ソーラーパネルの価格も下がり、買取価格も減ったため、取り付けても元が取れる程度となり、設置する家も減っている状況です。
盛り上がっていたころ、それを目当てに設置した家庭(うちもそう)は、この制度が終わってしまうと、最悪買取りなし、発電した電力を捨てるだけになっても、文句が言えないのです。
10年経過後の買取り施策は、政府が決めるのではなく、大手電力会社や新電力各社に任せているようです。
2019年4月26日現在までに発表されている各社の対応をまとめてみます。(詳しくは、各社の発表をご覧ください)
大手電力会社(旧一般電気事業者)
2019年6月に発表予定・・・北海道電力、東北電力、東京電力、九州電力、沖縄電力
北陸電力・・・1~17円(固定プラン8円/kWh、他定額プラン、時間別変動制など)
中部電力・・・7~12円(AmazonやWAONと連動したサービスやメンテナンスとセットなど)
関西電力・・・8円(お預かり。蓄電池などを提案)
中国電力・・・7.15円(お預かり)
四国電力・・・7円(お預かり。蓄電池などを提案)
新電力(各社契約条件などあり)
スマートテック・・・10円
昭和シェル石油・・・7.5円
静岡ガス・・・7円+α
積水ハウス・・・11円
積水化学工業・・・9~12円
シェアリングエネルギー・・・8円
これらの発表を見ると、ひと先ず余った電気は捨てるようなことはなさそうです。ただし、48円で買ってもらっていた人たちからすると、1/5や1/7程度になりますので、数万円の売電だったものが、数千円になることは確実です。
私の家は、4kwシステムで、売電の多い月で1万円を超えていましたが、2千円とか、少ない月は数百円になりそうです。
こうなると、売電するのが馬鹿らしくなります。
めんどくさがり屋の人は、このまま放っておくと、今と同じ電力会社の買取制度に移行することになります。
わずかな抵抗として、少しでも高いところへ変更する方法もあります。
上の表にある「お預かり」は、新しい取り組みで、余った電力を売らずに一旦預けて、使うときに引き出す(同じW数使える)、いわゆる等価交換のようなものです。これはこれでよいかと思います。
それ以外にできることが、蓄電池です。
蓄電池に使わなかった電気をためて、太陽の出ていない夜や曇りに使うことで、電気を買う量を減らします。
また、契約によっては、夜の電気代が安い家庭があります。(オール電化など)その場合、夜の安い電気を蓄電池にためて、昼間の高い電気代の時に使う方法があります。
現時点では、蓄電池は高価であり、また寿命が短いため、十分なメリットがありません。各社の売り文句は、非常時に使用できるということです。
確かに大地震はめったに起きませんが、台風などの水害で電気が止まることも増えていますので、使う機会はあるかと思います。
ですが、バッテリーだけで冷蔵庫やエアコンが潤沢に使えるわけではないため、いろいろ考えなければなりません。
今の世の中、科学の進歩はありますが、何でも解決はできません。
ソーラーもバッテリーも、進歩していますが、ガソリンや発電所にとって代わるところまではいっていません。
その中で、売電をするか、貯めて自宅で使用するかを考えなければなりません。
その中で、いま一度、好きなだけ電気を使ってよいのか、考える必要があると思います。電気は、必要ですが、本当に必要な電力の量はほんのわずかです。使わない、代わりの方法はいくらでもあります。世界中の人が、必要な電気だけ使用するようにすれば、きっと太陽光発電と今のバッテリーで、十分暮らしていけると思っています。