ロードバイクで山や坂を上ることをヒルクライムと言いますが、ヒルクライムが得意な人は、苦手な人の苦労がわかりません!(と、思います)
よく、ヒルクライムを楽に速く登ることというのがありますが、あれはテクニックです。気を紛らわせたり、効率を上げるテクニックなので、速くなっても強くなっていません。
もちろん、テクニックを磨くことは必要ですが、あまり速くならず、つらいことには変わりませんでした。そして、ヒルクライムが苦手な私は、ロングライドばかりしていたところ、どんどんタイムが遅くなってしまいました。
実は、ヒルクライムに強くなるには、肉体改造が必要です。そのためには、ヒルクライムに必要なトレーニングををしなければなりません。
そこで、ヒルクライム苦手な私が、ヒルクライムに適したトレーニング方法を考えました。
当たり前のことしか言わないかもしれませんが、王道に近道無しです。
ただ、私は、ヒルクライムが遅いです。(ストラバでも真ん中より後ろの方)
まず、ヒルクライムが速くなるには、脚力を強くしなければなりません。キンニク(筋肉)ライマーという言葉があるくらいです。
そのためには、負荷の強いトレーニングが必要です。
体は軽い方が良いです。それにはぜい肉を落とすことが一番です。身長や骨を小さくすることは出来ません。筋肉は、ヒルクライムに必要な物なので、減らせません。
鉄則ですが、軽く出来る人は、軽くした方が速く楽になります。
坂を上れば、おのずと力が入ります。そして脚力が鍛えられます。
斜度はきつければきついほどいいです。緩い斜度は、疲れるだけで、筋力は付きません。ただ、腰を痛めたり、落車したりしないようにです。
ギアも重い方が良いです。とにかく負荷をかけてください。斜度が緩くても、ギアを重くすれば鍛えられます。
ローラー台は、常に負荷がかかっている状態です。足を止めると止まってしまうので、回し続けなければなりません。
坂と一緒です。負荷を上げて、ギアを上げれば上げるほど、足の筋力がアップします。
平坦でしか練習できない人は、重いギアで、強い力で漕ぎ続けることで、ヒルクライムに近いトレーニングが出来ます。信号で止まったり、減速するところが多い場所では休めてしまうので、なかなか難しいです。
逆に、重くてスピードの出ない自転車で練習するのもいいかもしれません。
FPTに近いところで走る、SST(スイートスポットトレーニング)や、何十分走で、十分負荷をかけるようにしてください。
筋トレは、一気に筋肉を鍛えることができます。足の筋肉であれば、スクワットなどが有効です。
お勧めはブルガリアンスクワットです。これは、大臀筋にも、大腿四頭筋にも効きます。まさに踏み込む力が付きます。
プランクなどの静荷重、自重トレーニングもありますが、一気に鍛えたければ、ウエイトを持ったトレーニングです。その方が、短時間で確実に付きます。
ジョギングや階段上りも、短時間で足の筋肉と心肺機能を鍛えてくれるので、取り入れると良いでしょう。
目的は、筋力アップです。
中途半端にだらだら上っていても、筋力は増えません。
短時間で良いので、悲鳴を上げるくらいキツイ上り方が良いです。
キツイと感じたら、さらに追い込みます。そこからが、本当の筋力アップです。ひどいようですが、つらければつらいほど、鍛えられます。
足が疲れていないのに、呼吸や心臓がきついのは、心肺機能を鍛えていることになります。
もちろん、心肺機能も強くしなければなりませんが、ある程度鍛えていると、限界が来ると思います。心拍数は鍛えても上がり続けません。
ケイデンスは90rpmが良いと言われています。確かに強い力でたくさん回す方がパワー(ワット数)は高くなります。ワット数は、踏む力と1秒間に回す量の掛け算です。
パワーが一緒であれば、ケイデンスを下げると踏む力が大きくなります。筋力を鍛えるには、ケイデンスを下げる必要があります。
逆にケイデンスを上げて行くと、心臓が悲鳴を上げます。ケイデンスを下げていくと、足が悲鳴を上げます。この両方が同時にいっぱいになるのが、理想的なケイデンスです。
ヒルクライムは、かなりパワーを使います。平坦は意外と休んでいます。ですから、心拍は限界がある為、筋力アップするしかありません。強い力を出し続けられる、強い筋肉が必要です。
ただし、タイムを出したいときは、軽いギアの方が、心肺を使いながら足を温存でき、タイムが良くなります。トレーニングとタイムトライアルは、別物です。
速筋はスプリントなどの短距離で使います。遅筋は長く漕ぎ続ける筋肉です。
ヒルクライムなどで長く上り続けるには、遅筋を鍛えればよいことになりますが、どうやれば鍛えられるのでしょうか?
速筋は、素人であれば、数十秒と使っていられません。がんばって走っても、10秒か20秒で遅くなるのは、速筋で走っていたからです。なので、5分や10分頑張れる筋肉は遅筋であると言えます。
そのくらいの時間を頑張り続けていれば、自然と遅筋が鍛えられますので、どんなトレーニング良いかと考えずとも、遅筋を鍛えることは出来ます。
ただし、プロは速筋を長く使うことが出来ます。1分くらい使えるでしょうか?また、長く走っている時に、速筋を混ぜながら、休ませながら使うトレーニングもしているので、速筋を鍛えて、長く使ったり回復させたりできることは、アドバンテージになります。速筋を鍛えることも大事ということでしょう。
筋肉は重いです。クライマーの人は細く見えますが、ものすごい筋力があります。筋肉ではなく、筋力です。細い体に強い力が宿っています。これが理想的なのですが、なかなかそういう体になるのは難しいです。私にはわからないので、他のサイトで調べてみてください。
重い体は、ヒルクライムには不利になりますが、手っ取り早いのは、筋肉を増やすことです。
ロードバイクが速い人はどんな状況でも速いわけではありません。
クライマーやスプリンターがいるように、100m走とマラソン両方速い人は、なかなかいません。
そのわけは、長い距離や時間や斜度の得意不得意は、体によって決まります。
たとえば、軽い人は上りが速いですが、下りは重い人の方が速くなります。短い坂はパワーで上れますが、長時間の上りは、パワーウエイトレシオになります。また、激坂になればなるほど、軽い人が有利になります。
もし、タイムを縮めたいコースや勝ちたいレースがあれば、そのコースに合わせた体にならなければなりません。
20分で終わってしまうレースであれば、20分で全力を出せる体にすることが一番です。ヒルクライムも、激坂ばかりなのか、アップダウンを繰り返すのか?緩斜面が長く続くのかで、トレーニングが変わってしまいます。
ベストなのは、そのコースで練習することです。
つまらない話になってしまいますが、人の体形によって、コースの得意不得意が出来てしまいます。体重が軽い方が良いコースは、背の高い人や脂肪の多い人には不利です。軽くするにも、様々な理由で限界があります。
しかし、筋力は、鍛えれば鍛えるほど増えていきます。
体重の軽い人が有利な激坂クライマーになるのは天性もあると思いますので、筋力アップで強くなれる、ある程度(6%くらい)までの坂や平坦で強くなることの方が、まだ希望が残されているということです。
とはいえ、トレーニングすることで、脂肪も落ちますし、パワーも心肺機能もアップします。得意な人には到底追いつけませんが、激坂も多少早くなります。続けることは良いことです。
ただ、ロングライドやポタリングばかりしてしまうと、筋力は落ちてしまいます。私は2年目はだいぶロングライドばかりしていたので、ヒルクライムがどんどん遅くなってしまいました。
そんなことを書いている私は、ヒルクライムが遅いです。それは、自分を鍛える根性が無いからです。皆さんは頑張ってみてください。