ロードバイクのタイヤは走りに直結し、違いがかなり体感できるパーツです。
私はクリンチャーしか使っていませんが、転がり抵抗の良さから、ハイエンドに近いタイヤを多く使っています。ミドルグレードでも、進んでいかないタイヤ(転がり抵抗の大きいタイヤ)では、貧脚がごまかせません。
そして、ヒルクライムには軽量タイヤを選んで、少しでも遅いタイムを補っています。
そこで問題が、タイヤ幅のサイズです。
現在では一般的に23C、25C、28Cがラインナップされています。軽量化に目覚めているため、28Cは使ったことは無いのですが、23Cか25Cを使い比べています。
しかし、ピレリ PZERO VELO TTの23Cを使ってから、軽ければよいという考えが無くなりました。
結果的に、今後は25Cを使い続けようと思っています。
なぜ25Cを選択したかというと、理由は私の体重と運用スピードです。
そんなサイズ選びの理由を書いてみたいと思います。
23Cとか25Cなどのタイヤのサイズとは、タイヤの幅です。そのままmmで、幅23mm、25mmになります。
また、一般的にロードバイクのタイヤの700Cは、タイヤの直径700mmとなります。
ただ、多少のばらつきは当然ありますし、ふわふわの空気で膨らませたゴムを1mm単位で作るのは至難の業です。
また、ホイールのリムのタイヤをはめる溝の幅もC15とかC17とかあります。そのため、ホイールとの組み合わせでもタイヤの幅が変わってきます。
タイヤの幅が大きくなると、重量と空気容量が増えます。乗り心地(クッション性)は良くなりますが、加減速が若干悪くなります。
逆に細くなると、乗り心地は硬くなり、加減速は良くなります。
それと気になるかはわかりませんが、空気抵抗が変わるらしいです。見た目も細い方がカッコいいですね。
太い方が接地面が小さくなって、転がり抵抗が小さくなるというのが、最近のトレンドですが、この点に関しては不明です。ただ、空気量の多さから、路面からの影響(バウンドなどの上下動)が減ることは、減速しづらいメリットとなります。
私のホイールは最近なのでワイドリムのC17です。基本的にタイヤは25Cを選んで使っています。
ピレリPZERO VELO 4S、コンチネンタルGP5000、パナレーサージラーは25Cでした。
しかし、タイヤ幅は重さに直結します。まぁ、10gや20gの違いなのですが、回転系は加減速に影響が出ます。
そしてピレリPZERO VELO TTは、23Cを選びました。軽さは1本165gです。
しかし、この23Cを使ったことで、軽さの限界を感じました。
23Cのタイヤ、特にピレリは柔らかいため、いろいろ不具合がありました。
それは、下りでスピードが出たときにカーブを曲がると、思った方向に曲がらないことです。よれてしまうというか、安心できないという感じです。怖くて減速してしまいます。
最初は、タイヤの特性なのかと思ったのですが、いろいろ考えてみると、軽さによる、タイヤの剛性不足・変形なのではないかと考えました。
そして、カーブで曲がりづらいのは、タイヤのグリップだけではなく、乗り手の重さも関係するのではないかと考えました。
車でもそうですが、重いものは曲がりづらくなります。また、タイヤには体重を支える役目もある為、乗る人によって変わってきます。
ホイールもそうですが、軽量品の中には体重制限があります。タイヤはさらに柔らかいため、余計体重の影響を受けます。
女性なら45kgくらいから、男性でも55kgくらいの人がいる反面、70kgや80kgの人もいます。車体が1kg、2kgで影響があるのであれば、乗り手の体重は20kg、30kgはもっと大きな影響があります。
ですから、どの体重の人も、同じ機材で良いはずがありません。
フレームも身長などに合わせてサイズが違います。みんな口を酸っぱくして、自分に合ったサイズを買えと言います。かといって、タイヤはみんな700Cですし、クランク長やハンドル幅も体に合わせない人もいます。
軽量化は良いけど、せいぜい体重の10分の1までという人もいます。私のように70kgくらいの人なら、7kgを切ってくると、剛性が足りなくて、まっすぐ走らない可能性があるということです。
結果として、70kg弱の私は、23Cでは心もとないと感じたわけです。
同時に、パワーも人それぞれです。せいぜい500Wくらいしか出せない人であれば、頑丈な車体はいりませんが、プロのような1000W以上を連発する人であれば、強度を優先しなければなりません。
設計上は3kg台のロードバイクはありますが、それはビッグパワーを与えないということが条件だと思います。
タイヤも同様、パワーを受けるだけの剛性や接地面積が必要だと思います。
私にはパワーがありませんが、パワーのある人ならば、きっと細いタイヤは、変形して推進力を十分に生かせないと思います。
スピードが速くなると、小さなギャップやうねりも、影響が大きくなります。よく高速道路でも、横風の強い日は、スピードを出すと車体が流される距離が大きくなると言われ、減速させられます。
ツールドフランスなどでは、40km/h、50km/hで巡行します。下りでは90km/hにもなります。
一般道や凸凹道を走りますし、他の選手を避けたり、自分のラインが走れなかったりもしますので、高速でロードバイクを自在に操ったり、悪路を乗り越えていかなければなりません。
そうなると、ちょっとした凸凹に90km/hで突っ込んでも、簡単に変形せず、まっすぐ走らなければなりません。カーブ中でも、思った方向に進んでもらわないと命取りです。
そのため、速く走ることを目的としているのであれば、頑丈なタイヤでなければならなくなります。
このグラフは、体重とパワーとスピードから、タイヤサイズを図式化したものです。
私の偏見ですが、とにかく3つとも大きな値の人は、28Cでないと、走りに耐えられません。当然タイヤだけでなく、フレームやホイールにも同様のことが言えます。
そして、どれか1つでも低い値があれば、細いサイズでも走りに耐えられると思います。当然ブランドや剛性が影響しますので、そのあたりという意味です。
最後に、体重が軽くて、ポタリングがメインの人は、逆に23Cがおすすめです。加速が良くなりますし、十分体を支えることが出来ます。
プロが28Cを使っているとか、トレンドとか言いますが、プロはパワーがあります。体重もあります。また、レースでの運用スピードが違います。
ですから、あまり細いタイヤでは、路面に影響されすぎて、思った通りに車体をトレースできなかったり、パワーを伝えることが出来ないので、最近は使用されないのではないでしょうか。
私のような貧脚であれば、28Cを回すのも大変であり、路面からの影響を考えると、25Cで十分乗り越えられると思います。実際、25Cを使っていて、コントロール性が悪いとか、乗り心地が悪いとは思いません。
確かに太いタイヤの方が乗り心地が良くて、安定しますが、スピードが乗るまで結構パワーを使います。私のような貧脚では難しいところです。
25Cで乗りこなせられるのであれば、私は25Cで良いと結論に達したわけです。
(ただ、巡行やタイムトライアルは、ディープリムホイールや重量のあるタイヤが有利に働きます)
とはいえ、ピレリのTTの23Cでは剛性不足を感じただけであり、特に軽量ではないモデルの23Cであれば、剛性感はあるかもしれません。特にGP5000は硬さはあるので、23Cでも乗りこなせるかもしれません。
また、23Cでも高圧にすれば、変形は抑えられます。しかし、乗り心地が悪くなります。
私は低圧が好きなので、23Cに出来ないのかもしれません。
理論はありますが、みんな同じ条件ではないのがロードバイクです。特にタイヤは、まっすぐ走るだけではありません。どれがベストというのは難しいですね。
軽量タイヤはヒルクライム用に剛性は無視して使用したいと思いますが、平坦やレースでは、レース用25Cで勝負したいと思います。