ロードバイクに乗っていて、お尻が痛くなることがあります。サドルを替えたくなる気持ちはわかりますが、原因はいろいろあります。
お尻の痛みの原因は、サドルの高さ、硬さ、パンツやパッドとの相性、ハンドルとの荷重バランスなどもありますが、一つ大事なことに気付きました。
それは、サドル上の重量です。
体重や荷物を背負うことで、お尻で支える重量が増えます。当然ながらそれがお尻の痛みにつながります。(おそらくウーバーイーツのようなロードバイクでデリバリーの人は、悩んでいると思います)
お尻にかかる重量に関して、考えてみたいと思います。
レースに行ったとき、輪行しつつ、往復20kmほどを自走しました。その日は夏で暑く、たくさんの冷たい水が必要なため、凍った水やスポーツドリンクやモンスターやコーヒーなど、たくさんの水分を買い込み、背中のリュックに入れていました。それ以外にも、補給食やシューズや着替えや小物などを持って行っていた為、おそらく背中に6~7kgくらいの重量があったと思います。
片道10kmなんかは、いつもチョロっと走れる距離でしたので、楽勝と思っていたのですが、荷物がまず肩にずっしりとかかり、お尻にもずっしりとかかりました。
行きはまだ元気で良かったのですが、帰りは90分のエンデューロレースを終えて、疲れ切った足に力は入りませんでした。そうなると、手とお尻に体重がかかります。そのため、お尻がピンポイントで痛くなり、とても座っていられなくなりました。
たった10kmの距離を休み休み1時間くらいかけて帰りました。もうフラフラでした。お尻が痛いので、手に体重をかけていると、今度は手が痛くなり、手をかばうとお尻が痛くなって、行き場が無くなります。
そんなわけで、荷物を背負うことと、お尻に体重がかかることは、お尻の痛みに直結するのだなと思いました。
お尻の痛みを改善するコツは、お尻にかかる荷重を調整することです。手と足とお尻にかかる荷重のバランスを取ることで、手やお尻の痛みを軽減しつつ、足の力を温存しています。
これはポジションでも大きく変わります。
一時期は、サドルを前下がりにして、手と足に荷重がかかるようにしていたので、お尻はあまり痛くなりませんでした。しかし、この場合、手が痛くなり、足が早めに疲れてしまいます。
ですので最近は、サドルをフラットにしています。これですと、足がかなり自由になり、足の疲れが遅くなりました。
極端に試してみたく、サドルを前上げにしてみました。そうすると、お尻はサドルの後ろの方に固定され、びっくりするほど手が楽になりました。足も完全に力をかけなくても安定し、手放しも楽になりました。
しかし、喜んでいるのもつかの間、30kmくらいからお尻が痛くなり、50kmからは激痛で座っていられなくなりました。
要するに、手足に分散されるはずの体重がすべてお尻にかかってしまったということです。
この体重の3点分散は、例えば上半身の重量の半分くらいはお尻に乗ると思います。60kgであれば、上半身を40kgとして20kgがお尻に乗ることになります。しかし、手にはそれほど荷重はかけられず、足には常に体重を乗せきっているわけではないので、お尻にそれ以上かかっている時もあります。
体重が60kgであれば30kg、体重が100kgであれば、50kgにもなると考えます。
それらの荷重を、レーシングパンツのパッドで受けるわけですから、30kgでもつぶれないパッドも、50kgだとぺったんこにつぶれてしまうかもしれません。
リュックもダイレクトにお尻にかかってきます。
やむを得ないことですが、体重も重いと、お尻にかかる重量も多くなるということでしょう。
これらの上半身の重さを分散する方法としては、サドルとの接触面積を大きくして、お尻の骨盤にかかる荷重を分散させるのが、王道となります。お尻の形に合ったサドルを探すのは、この点にあるのかもしれません。
骨盤の形も人それぞれです。硬いサドルやフォームによっては、座骨の点で当たります。硬いサドルの方が、ペダリングの効率は上がるのですが、痛みと引き換えになるので、1つは柔らかいサドルにすることが解決となります。
しかし、固いサドルでも、骨盤の形や股の間などがうまく当たっていれば、接触面積が広くなり、力が分散されます。座骨の点ではなく、左右の座骨の間に丸く当たるようになっているサドルもあります。真後ろから見て、上面が湾曲しているサドルです。
ロングライドではどうしても荷物が増えます。ブルベなどでも、リュックよりサドルバッグが好まれます。
良くリュックを使わない理由は背中の放熱性を言う人がいますが、やはり上半身の重量増は、ロングライドで致命傷になるという理由の方が大きいかもしれません。
サドルバッグの重量はフレームからタイヤが支えるだけですが、リュックはお尻も支えているということです。