ロードバイクの室内トレーニング用に、ダイレクトドライブのローラー台を買いました。
アパートなので遠慮していたのですが、荒川サイクリングロードでの練習は天候や気温に左右されやすく、トレーニングの効果を維持するために、買うことに決めました。
そこに、アマゾンを見ていたら、33000円のローラー台を発見。カートに入れて様子を見ていると、28000円に下がっていたので、思わず買ってしまいました。
そんなローラー台は、いったいどんな代物なのでしょうか?
まず仕様をはっきりさせておかなければなりません。
これはスマートトレーナー(いわゆる、ズイフトなどのアプリと連動して、負荷が変わるもの)ではありません。
また、パワーメーターは付いていますが、踏む力ではなく、重りの円盤が回っているエネルギーを表示します。要するに、円盤の回るスピードに比例してパワーが上がっていきます。
では何が出来るかというと、後輪のタイヤを使わない、ダイレクトドライブタイプです。
負荷の変動は変化せず、3%斜度の負荷が一定でかかります。負荷を変えたければ、ロードバイクのギアチェンジで行うことになります。
使い方としては、トレーニング負荷はシフトチェンジで行い、一応パワーメーターもどきが付いているので、漕いでいる平均のパワーがサイコンなどに接続することにより表示されます。
静かでリアタイヤのすり減りなどを気にせずトレーニングしたい人には、最も安価に購入できるトレーナーかと思います。
メーカーは、THINK RIDERという、いわゆる中華系ですが、ホームページもあり、連絡先もあるので、闇商品とは言えないぎりぎりのグレーです。
商品名はPOWER TRAINER 「A1」です。このメーカーは他に格安なスマートトレーナーも出していますが、これはかなり価格と性能を抑えた挑戦的モデルとなります。
良い点は、
・値段が安い
・ダイレクトドライブ
・静か
・一応パワーメーターが付く
・電源は電池
です。
悪い点は、
・スピードセンサーが付かない
・パワーメーターが踏む力ではない
・負荷が変化しない
となります。
一番の良い点は、値段が安いということです。定価で33000円程度ですが、アマゾンで時々特価になり、28000円で購入しました。これは破格です。
確かにこの値段を実現するには、かなり機能を削っています。
パワーメーターが目安程度で、負荷変動は手動でもできません。機能的には、タイヤ駆動のローラー台と同じです。
次の利点、ダイレクトドライブですが、利点かどうかわかりませんが、タイヤが削れないということはあります。私はタイヤドライブ式も持っていますが、金属のローラーと接触させるため、確かにテカリは出ますが、それほど削れる印象はありません。(まぁ、ガンガンにトレーニングしていませんが)タイヤが削れなくても、部品は消耗しますし、タイヤは使い古しを使えばよいわけです。
私が思うダイレクトドライブの利点は、音が静かだということです。タイヤ駆動では、径の小さい負荷のかかったローラーをぶん回さなければならないため、音がちょっとうるさいです。それでも隣の部屋に聞こえるほどではありませんが、アパートに住んでいる関係で、音は静かな方が良いという考えです。そのため、ダイレクトドライブの音の静かさは魅力的です。
実際使ってみて、チェーンやシフトチェンジの音、踏み込みの時の体重移動による揺れの方が気になります。
そして、パワーメーターが付いているということで、期待をしたのですが、これがパワーメーターではなかったということです。
普通のパワーメーターは、踏み込む力を計測しますが、これは、ウエイトのディスクの回転数を読んで、そのエネルギーを表示(サイコンなどに)します。そのため、思いっきり踏み込んでも、加速中はパワーは上がらず、トップスピードの時が一番パワーが大きくなります。そのため踏みやめても、円盤が止まるまではパワーが出続けることになります。(負荷があるので数秒で止まりますが)
ですのでパワーは、加速して減速もした後の平均のような形になります。
このパワーの計算方法は、ウエイトを回すエネルギーと、自転車が進むエネルギーをイコールと考えて計算しています。単純に1/2mv^2ですね。mを重りの円盤として、vをその回転数で計算しています。ただ、特性上低めに表示されるようです。
普通のパワーメーターならば、クランクなどのひずみを測定してパワーを計算しています。私の買った安めのパワーメーターでも4万円するのですから、3万円弱で買えるわけがないということでしょうか。
それから、センサーの電源はボタン電池です。回転数と電波送信を行います。そのため、コンセント入りません。
信号は、ANT+とBLEという規格です。
悪い点としては、スピードセンサーが付かないというのがあります。ホイールのハブに付けて回転数を読むやつです。
このマシーンには、ハブの部分が無いので、付けられません。マグネット式であれば、工夫すれば着くかもしれません。
そのため、私のサイコン(ブライトンAERO60)では動いていると認識されず、記録が出来ません。(他に方法があるかもしれませんが)
とりあえず今は、Wahooのアプリを使って記録し、ストラバに転送しています。(この場合、トレーニング時間であり、距離の換算はありません)
次に、先ほどから書いていますが、パワーメーターが思っているのと違いました。
目安程度の参考にしかなりません。
ズイフトも、スピードメーターがあれば出来ますが、それと同じ仕組みです。スタートの加速やヒルクライムは、とにかくぶん回さなければなりません。急な加速は出来ません。
負荷が変化しないのは、私はあまり気になりませんが、安いタイヤ駆動のローラー台でも付いています。
負荷を変化させるには、ギアチェンジすればよいので、それで調整できます。
ただ、もともと3%斜度の負荷が付いているので、結構重いです。いや、かなり重い気がします。
アウターが重すぎて、インナーでしか使用していないのですが、フロントインナー36のリア23でケイデンス90にすると、だいたい150W(クランクのパワーメーター使用)になります。私のような貧脚では、ちょっと辛いです。スプロケを11-25tにしてしまったので、軽い力でくるくる回すことが出来ません。とりあえずは、負荷も変えられるので、問題ないのです。
パワーメーターはおまけなので、パワーメーターやローラー台を持っていない人は、とりあえずズイフトやトレーニングをしたい人にはいいのですが、本格的にやりたい人には物足りなくなると思います。
特にパワーメーターはいい加減なので、ロードバイクにパワーメーターが付いている人でないと、パワートレーニングには使えないと思います。
私の場合もそうですが、ロードバイクにパワーメータが付いている人であれば、安価に、パワー管理のトレーニングが出来る、ちょうど良いマシーンかと思います。
静かなローラー台を探している人にも良いと思います。
私の場合は、静穏性重視だったので、この商品を選びましたが、ただ、このパワーメーターが使い物にならないので、機能的には 6000円くらいのタイヤ駆動ローラー台と同じになります。音が気にならない人であれば、タイヤ駆動の方が安くトレーニングできます。
もし、格安でスマートトレーナーが欲しければ、このメーカーの上位機に、X2、X5というのがあるので、これも安い時は56000円くらいで売られています。これなら、ズイフトの斜度の変化に合わせて、自動で負荷変動してくれるようです。(わかりづらい日本語なので、確信が持てませんが)
附属品ですが、クイックリリース、といくつかの後輪軸受けのアタッチメントが付いています。リムブレーキなどのクイックリリースは、付属のアタッチメントで付けられるようですが、スルーアクスルは、別途購入しなければならないようです。この点は詳しくないので、不明です。
それから、スプロケットは付属していません。
ZWIFTは実際やっていませんので、動くかどうかわかりません。今後実験してみたいと思います。
また、トレーニング方法も他にいいやり方があるかもしれませんので、いろいろ試したいと思います。
とりあえず、ダイレクトドライブの静穏性で、価格が安くお試しには良いと思います。
ただ、本格的にZWIFT連動できる(負荷変動する)スマートトレーナーも、有名メーカーで10万円を切り始めているので、長くきちんとやりたい方は、一流ブランドのものを買った方が良いかと思います。
何せ、中国メーカーでアマゾンでの説明文も直訳でわかりづらく、正しい機能が読んでも分かりません。
ローラー練習は、ガチ系でレースを本格的にする人は多用していますが、気楽なホビーレーサーにはつらい練習です。多くの人は長続きしません。
以前はズイフトもしていましたが、ズイフトでも飽きるというか、つらくなってきてきます。20分でも軽く回しているのもつらいです。
そういう意味では、本当に続けられるのか?という見極めで、上位機種を買う前に試してみるのも購入する理由の一つになります。