シマノのコンポ105の新型(R7100シリーズ)が発表されました。先に発表、販売されているDURA-ACE、ULTEGRAを踏襲し、リア変速12速、DI2電動シフトチェンジ、油圧ブレーキとなりました。
価格は組み合わせでばらつくものの、おおよそ、20万6259円。重量は、2888gです。
パワーメーター無しの、アルテグラはおよそ、253,168円、2716g。
デュラエースは、413,094円、2438gとなります。
詳しい仕様や写真は、他のサイトで。
この3モデルは、仕様はほぼ同じと考えると、価格差は軽さと剛性になると思います。いや、ネームバリューかもしれません。
ため息が出るような、価格ですが、買うときはいいものをと、高くても買ってしまうのが、自転車脳です。
しかし、私は今回の新型105は、初心者こそお勧めする理由があります。
実は、安い物=初心者向け、高い物=上級者向けではないと考えるようになりました。お金持ちはロードバイクの経験値に比例するわけではありません。
ではなぜ新型105を初心者に進めるかというと、その構成にあります。
電動シフターは、初心者にも使って欲しい手軽さがあります。ディスクブレーキは効きの軽さからも、初心者が使うべきパーツです。そして12速は今後の商品ラインナップや仲間とのパーツ共有などで、非常にメリットがあります。ワイヤー変速やリムブレーキは、私のような頑固者が使うだけになるかもしれません。難しくても、安いから使い倒す(選択の余地がない)というのは、流行らなくなるかもしれません。
ですから、こだわりが無ければ、楽したいのであれば、新型105は非常にお勧めのコンポになります。
使いやすさの追求
Di2化、ディスクブレーキは、乗り手をライドに集中させてくれます。要するに、操作を楽にさせてくれます。車で言えば、オートマチック、ABSブレーキのようなものです。今どき(一部を除いて)マニュアルトランスミッションやノーアシストブレーキを選ぶ人はいません。機能を削れば少しは安く作れますが、わざわざパワーウインドウやパワーステアリングをやめろと言う人はいません。まさに、正常進化です。
Di2は、操作も力を入れずに変速できます。
それだけでなく、シフト位置の微調整もほとんどいりません。ワイヤー式では、ワイヤーの伸びなどで、たまに調整が必要になりますので、知識が無いと出来ません。
また、アウターローなど、あまりやってはいけないシフトパターンを避ける機能も付いています。初心者向けだと思いませんか?
ディスクブレーキは、まず、握力が弱くてもブレーキの効きが確保されます。力のない人でも大丈夫ですし、強い人でも、長い下り坂で、手が疲れづらくなります。
また、雨の日など、リムブレーキの初期の効きの悪さ(排水してから効き始める)が無いため、難しいテクニックは必要ありません。これも初心者に優しいことになります。
そして12速化は、上位機種もそうであるように、これからの主流になります。そうなると新しく販売されるホイールなどは、種類も11速に比べれば多くなると思います。また、仲間からホイールやパーツを譲ってもらう機会があれば、互換性では有利になります。逆もしかりで、不要になったパーツも価値が下がらず、売ることが出来ます。
新しい方が良いというメリットを存分に享受することが出来ます。
105にも利点がある
ならば、デュラエースやアルテグラでもいいんじゃないの?と思うかもしれません。しかし、そこには落とし穴もあります。
まずデュラエースは、完全なレース仕様です。剛性が高く、プロの踏力をダイレクトに伝える設計になっています。
実は高剛性は初心者に優しくありません。硬いパーツは、力を伝えやすい代わりに、その力が自分に返ってきます。(自分で支えなければならない) 筋力の無い初心者であれば、それはすぐに疲労に直結します。あっという間に疲れて、ふらふらになってしまうかもしれません。また、関節や筋肉を傷めます。体幹の出来ていない初心者であれば、その能力を生かせないばかりか、ダメージを食らってしまいます。
また、デュラエース、アルテグラは軽量化が施されています。軽いというのは、実は丈夫ではないのです。頑丈なのは、重い方です。これは仕方ないことなのです。
初心者であれば、出先でロードバイクを倒してしまうことがありますが、その時ディレイラーやシフターなどが曲がったり、折れたりすることがあります。これも軽い方が、壊れやすくなりますので、トラブルに弱い初心者は、頑丈な方を選んだ方良いです。初心者の方が倒す回数も多かったり、直し方がわからなかったりするので、なおさらだと思います。
でも、デュラエースの方が剛性が高いんでしょ?だから頑丈なのでは?と思うかもしれませんが、まず、固いものはもろいということがあります。ガラスとプラスチックは、ガラスの方が硬いですが、割れやすいです。鉄板とゴム板でも、車にひかれたとして、鉄板は曲がってしまいますが、ゴム板は元の形にもどるでしょう。そんな感じです。
さらに、剛性の高さは、前に進む方向に強く作っています。回転するギアなら回転する方向ですが、横からの力にはとても弱いです。設計や素材にもよりますが、基本的に軽量な物であれば、横方向など、関係しない方向の力に対する強度は、犠牲になってしまいます。
まぁ、だから105にしなさいと言うわけではありません。壊れるかどうかは当りどころにもよりますし、初心者をすぐ脱出してしまう人もいます。ロードバイクなので、速さを追求していることには変わりないので、105だから壊れないわけではありません。どのグレードを選んでも、それはその人の自由です。
とはいえ、お高い
全体的に金額が高いというのは、やはり世間との感覚から離れているでしょう。新しい技術であり、最初は高いのはしょうがないですが。まぁ、5年くらいすれば、同じセットで、全体的に10万円は下がるでしょう。(インフレは考慮しない)
機能や信頼性の差は、ほぼないと思うので、後は価格差が縮まれば、今のハイテクカーのように、標準化してしまうと思います。
とはいえ、機械式のデュラエースR9100は、23万円くらい。アルテグラR8000は、13万円くらいと、この新型105がいかに高価かわかります。予算が約20万円と決まっていれば、旧型デュラエースも選択肢としては、悪くないです。(言ってることが違いますが、個人的にはそう思います)
新型デュラエースは高くて買えないし、レースもしたいとなると、旧型も選択肢に入ります。ただ、新型105も十分レースに使えますし、Di2はレースでもメリットがあります。悩ましいところです。
Dura-aceの名前の価値を考えなければ、新型105の方が、楽しいかもしれません。レースをやらないのであれば、確実に新型105の方がおすすめです。
新型105搭載完成車
何かと話題のトレックマドンの新型が発表されています。その中で、TREK MADONE SLR6として、新型105搭載の完成車が出ました。お値段はなんと、115万5000円!新型デュラエースより、50万円も安いです。よくわかりませんね。w
なぜこの高性能なフレームに、105を付けるのか?105にそれだけの性能があるのかもしれません。ただ、お金があれば、デュラエースを買うでしょう。お金が無ければ、マドンは買わないでしょう。ターゲットがわかりません。^^;
コラテック R.T.CARBON DISCにも、新型105が搭載されました。価格は459,800円。どちらかというと、カーボンのグレードを落として、デザイン的にもクロモリっぽい細いチューブ形状になっており、レース仕様というよりは、デザイン優先で乗り心地が良いという感じです。
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