手で絞めたときのトルクはどのくらい? トルクレンチが無くても、トルクを読む方法

アイテム
5
(4)

ロードバイクでは、パーツ交換や、日ごろの点検で、ビスの締め付けを行うことがあります。ロードバイクはとても繊細な道具ですので、ビスを締める際、締め付けトルクが決められています。

しかし、安価に手に入るアーレンキ―(ヘキサレンチ、六角レンチ)ですが、安いものはトルク管理が出来ない、ただの曲がった棒です。トルク管理をするのであれば、トルクレンチを購入しなければなりません。

Amazonで「トルクレンチ ロードバイク」を探す

「トルクなんて適当で大丈夫」なんて思っている人も多いでしょうが、多少なりとも心配なはずです。特にカーボンのパーツを使用していると、締めすぎにより割れなどの破損の可能性があります。
それでは、トルクレンチを持っていない人や、出先でトルクレンチが無い場合、どのように調整すればよいでしょうか?

この方法は、適当に締めるよりは、指定のトルクに近い締め方が出来る方法です。
トルクの意味が分かれば、意外と簡単な方法です。
(ただし、保証は出来ません。自己責任です)

スポンサーリンク

トルクの意味

トルクとは、回転する(回す)力です。車のエンジンなどで、軸を回す力などにあらわされています。

考え方は単純で、回転する軸の中心から、半径何mのところで、何N(kgf)の力がかかっているかという考え方です。

1kgf・mであれば、半径1mのところ持って(1mの長さの棒を使って)、
1kgfの力で押す(引く、動かす)ことです。
  トルク(kgf・m)= 力(kgf)x 半径(m)
1kgfは、おおよそ、1kgの重りを持ったくらいの力になります。1kgの砂糖などを持ち続ける力ですね。

トルクの単位は、N・mが多いですね。現在のSI単位(国際単位系)が、標準になります。
でも、私は古い人間なので、kgf・mの方が、イメージしやすいです。1Nの力と言われても、ピンときません。

1Nは、0.098kgfなので、置き換えて考えれば同じです。0.098kgfは、98gfです。イメージとしては、約100gですね。
ですので、1N・mは、1mの棒を使って100gの力で回すイメージです。

100gというと、とても弱い力ですが、1mの長い棒を使っているということに意味があります。これは、「てこの原理」で、長ければ長いほど、大きな力が生れます。
同じ1N・mのトルクを、10cmの棒で回すとなると、単純に掛け算になるので、
0.1mX1㎏f =0.1kgf・m ≒1N・mになります。
10㎝の棒ですと、1㎏fも力を入れなければなりません。
1cmの棒で回すとなると、10kgfの力が必要です。手が痛くなりますね。

実践編

これらの計算より、実際のやり方を解説します。

まず安い六角レンチを想定します。100円ショップなどで売られている、柄の短いレンチです。私も2本だけ携行して、軽量化を図っています。

ちょっといいレンチは、10㎝くらいありますね。これは結構楽に締められるのですが、締めすぎに注意です。

力を入れなければならない箇所は、柄の長いものを使用します。BBやクランク、スプロケットなどは、とても小さいレンチでは締められません。

イメージとして、どのレンチの時に、どのくらいの力を入れればよいか、表を作ってみました。
あくまでイメージですし、完全に自己責任でお願いします。

感覚的には?

この表から考えると、5Nmや10Nmであれば、小さなレンチで思いっ切り締めるくらいがちょうどいいように思えます。

もう少し細かく見ると、指一本でどのくらいの物が持てるかで、逆に言えば、指一本でどのくらいの力が出せるかという目安を考えます。

指一本で試しましたが、1㎏の砂糖などは、軽く持てますね。
2kg(2L)のペットボトルも持てました。さすがに3本6kgはきつかったので、指一本で思いっきり力を入れると、5kgになりそうです。

指2本では、10kgのお米が何とか持てました。2本で思いっきり押す(回す)と、10kgは出そうです。
ただ、体重計でも実験してみましたが、確かに指1本で5kgくらい出ますが、指2本以上であると、7kg~10kgであり、指が増えれば力が強くなるわけではなさそうです。
どうやら人間は、しっかり握ることが出来れば、体重をかけるなどして、どんどん力を増やしていけるようです。
ですから、力任せに体重をかけてしまうと、とんでもない力がかかってしまうことになります。

一応目安として、
指一本で力いっぱい5kgfとして、5㎝のレンチで2.5Nm、10㎝のレンチで5Nmです。
指2本以上で8kgfとして、5㎝のレンチで4Nm、10㎝のレンチで8Nmくらいです。

締め付けトルクの考え方

私は、ビデオデッキやDVDなどの、電化製品のメカや機構(外観)の設計をしていました。いろいろな部品を固定するのに、いろいろな締結方法や、ビスの種類や締め付けトルクを検討していました。
どちらかというと、普通のビスは一回締めれば終わりです。何度も締めたり外したりすることには向いていません。せいぜい2~3回です。

ロードバイクは、何度も付け外しをします。しかし、耐久性以外に重量や剛性も考えられています。ねじ山にグリスを塗るというのも、特殊な考え方だと思います。

ロードバイクのパーツは、何度も締めたり緩めたりするので、ねじ山が壊れないように締めるという意味で、トルクの管理が行われているところもあります。

また、乗って走ることにより、振動が発生したり、体重や踏み込みによる強い力やねじれもかかるので、取れないように締めなければなりませんが、緩まなくなっても困りますし、ねじ馬鹿にもならないようにしなければなりません。家電製品なんかよりも、シビアなねじ設計が必要です。

ただ、緩んですぐ事故につながるBBや駆動系などのパーツは、トルク管理はしっかりしておいた方が良いですが、例えばハンドルやSTI、サドルなどは、ちょっとずれる程度であれば、即落車につながるわけではありません。レースなどの競技は別ですが、加減というものがわかれば、おそらくみんなそれほど気にしていないのでは?と思います。
また、メーカー指定のトルク値は、神様の値ではなく、いろいろな条件や大人の事情で決められています。

正直、メーカーの推奨トルクや取扱説明書の規定値は、ベストなトルク値かというと疑問です。まず最優先で決められることは、外れないことなので、強めに決められています。
ただ、強いと部品が破損したり、外せなくなってしまうので、規定値は、大手のパーツか自社部品などの組み合わせで決められています。そこに、サードパーティのパーツを組み合わせたときの検討はあまりされないでしょう。
外れないように強く締めて、パーツが割れたりしたら、緩み以上に危険な状態に陥ることもあります。

一見、だれでも組み立てられるロードバイクですが、パーツの品質があってのトルク管理ですので、トータルで安心できるように考えることが必要です。

なぜみんなその数値を守っているかというと、メーカーの保証を受けられないからです。違う値で締めて、緩んだり事故が起こった時に、「ちゃんとルールを守らないからだ」と言われてしまうからです。
ただ、きちんと規定値通り締めていたからと言って、部品が壊れたり、事故が起こっても、メーカーは保証してくれません。「社外パーツは対象外」とか、工具がきちんと校正されたものではないなどと言って、保証はしてくれないと思います。要するに、何でも自己責任なのです。
自信の無い人は、ショップにお願いしましょう。

お店で組み立ててもらっている時は、おそらくトルク管理してくれていると思います。でも、お店の人も、自分の自転車を組むときは、トルクレンチを使わないで締めているかもしれません。
それは、一度、トルクレンチで締めることで、感覚的、経験的にわかってくるからだと思います。一度はトルクレンチを使ってみることをお勧めします。

日ごろの点検が重要

そんな、緩むかもしれないビスで、危険を伴うスピードやレースをやる為には、メンテナンスなどの、定期的な点検が欠かせません。これを怠って、自分で取り付けても、お店で付けてもらっても、大丈夫とは思ってはいけません。緩むと思って、乗らないといけません。

緩まなくても、締め忘れがあるかもしれません。こんなところがと思うところが、緩んでいたりします。今日大丈夫でも、明日緩んでいるかもしれません。
なんか、異音がする、カタカタ言っているなどの原因は、ビスのゆるみだったりします。衝撃を与えて、異音がするのであれば、ビスのゆるみを疑っても良いと思います。

確かに、緩むことはめったにないのですが、自分を守るのは自分です。わからないのなら、点検もプロにやってもらいましょう。

(余談ですが、六角穴付きボルトの頭は、舐めることはありません。ちゃんとした工具でちゃんとしたビスでちゃんと差し込んで回せば、舐めません)

このブログは役に立ちましたか?

星で評価してね!

平均評価 5 / 5. 投票数: 4

投票なし

コメント

タイトルとURLをコピーしました