ネットフリックスで「攻殻機動隊 SAC_2045 持続可能戦争 シーズン2」を見て残念だったので、感想と解釈です

映画
3.2
(11)

注意)本ブログは、ネタバレを含みます。また、個人の感情を含む意見も書かれています。ネタバレ・他人の意見を聞きたくない方は、読まないでください。

ネットフリックスで、攻殻機動隊 SAC‗2045 持続可能戦争 シーズン2が、全話一気に公開されました。
SAC_2045は、まず映画から見て、次にネットフリックス版を全話みて、今回のシーズン2を見ました。

映画は短いゆえに内容が濃く、アクションも充実してストーリーは複雑にしていない分、スッキリしていました。
そのあとネットフリックス版が見たくて契約したのですが、最初は映画では見られないシーンが豊富にあり、楽しく見れていました。

しかし、シーズン1の全話を何度か見返していると、前半のゴーストと名乗る傭兵部隊で合法的にドンパチやっていた時は良かったのですが、後半のプリンが出てきて公安9課としてポストヒューマンに挑んでいく辺りで、おかしくなってきました。

ポストヒューマンとは、人間なのに計算能力がスーパーコンピュータ並みで、公安9課も全く歯が立ちません。これを本当に捕まえられるの?という疑問がありました。そして、その悪い予感が的中した感じです。

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ストーリーが壮大すぎる

公開されたその日に全話見ました。全12話のうち、11話まで納得できないまま盛り上がってはいたのですが、最終話では、今までの盛り上がりは何だったの?という感じで完全に肩透かし(いや、本当に夢落ちレベル)でした。
(1話ごとは、次どうなるんだろうというドキドキ感はあったので、週一でやってくれればよかったと思うのですが、何で一気公開なんでしょうかね?)

最終的には、米帝と公安9課とポストヒューマンの戦いです。自衛軍は全く役に立ちません。(国は何してんだ?)
これを草薙素子少佐だけで解決してしまうのです。スーパーマンかウルトラマンの話に見えてしまいます。

確かに今までの攻殻機動隊(特に押井作品)は、状況や考えが抽象的過ぎて、何が起こっていて、どうすればいいのかが見ている側から全くわかりませんでした。それに比べれば、公安9課も米帝もポストヒューマンを押さえるという目的は分かりやすいですし、その過程で公安9課と米帝がドンパチやるのも、まぁ許せます。(所々、NSAがドジですが)
でも今までは、一応事件は解決しています。しかし、この2045は、解決したのかもわかりません。世界が(見ている人も)仮想現実を見せられているのか?現実なのか、パラレルなのか、よくわからない終わり方をしています。

世界向けに誰でもわかりやすい?内容になってしまったのでしょうか?公安はチームワークや頭脳戦で戦ってきたのに、ただただサブマシンガンで、ポストヒューマンを躍らせる間抜けっぷりに、嫌気がさします。攻殻が世に出回ったのは、巧妙な頭脳戦であり、わかりづらいながらも、かっこよさがあったからだと思います。

最終話の落ちを推測

最終話がいろいろ要所をカットして、ごまかしていますが、全話にわたってかなり説明が多く、最終話も少佐の質問に正直に答えるプリンやタカシのおかげで、結論を説明してくれています。(だからと言って、つじつまは合わない)

私が思うに、最後の草薙素子は、タカシのコードを抜いているでしょう。それで夢を見ない世界(元の世界)には戻っています。
プリンの説明で、1A84の目的は、みんなは今までの生活をしながら、満足感を感じるようにすることがわかります。なので、コードを抜いても、元の世界に戻るだけで、少佐も躊躇なく引き抜いたのでしょう。

決着も陳腐で、引き抜いたら勝ちとか、タカシが明確に2択化しちゃってます。そんな単純?そして素子が来た時の対策をしていない?なんか、馬鹿とまじめに戦争しちゃったという感じです。まじめに見て損したというやつです。

なんか、「1984年」という作品を参考にし、その思想や単語を多用しているようですが、意味があったのでしょうか?まねしただけなのでしょうか?

核ミサイルは飛ばされていない。スマートガスはまかれたけど、発動していない?
トグサが郷愁ウイルスにかかったころから、みんな仮想現実を見せられている(N?)
公安9課が次々と死んでいくが、これは素子が見ている夢なのか?私個人としては、こんなショッキングなことが起こって、夢でしたは許せません。

不自然な点を書いたらきりがない

2周目を見ていて、さらに矛盾が増えていき、全部書くのも悲しくなるので、一部だけ書きます。

まず、話が壮大すぎました。アクションを多くするためか、核戦争や国家間の戦いを、少数の公安が解決できるわけがありません。解決できたとしても、その方法は、相手の間抜けな部分をつついたことになり、そんな間抜けな奴らの戦いを見るとガッカリします。失敗アクション映画に多いやつです。

ポストヒューマンを、相変わらずサブマシンガンみたいなやつ(セブロC-40A)を性懲りもなく撃ち続ける公安9課も間抜けです。何も対策が出来ていません。

ポストヒューマンも、体は生身ではなかったのでしょうか?少佐をパンチを受けても大丈夫なのでしょうか?あんなに走り続けたら乳酸溜まりますし、飛び降りたら骨折するでしょう。いつの間にか、スーパーマンになってしまったようです。

それと、ポストヒューマンは1A84のウイルスから発症?したのであれば、タカシは1A84のプログラムで動いている考えられ、本人のもともとの意思とは関係なく、かわいそうな運命でしかなかったということになります。途中から、タカシやミズカネが悪者になりますが、何とか助けようということは出来なかったのでしょうか?

最後はそれっぽく、素子がネットの海にダイブするのですが、今までは高度なハッカーが現れたときに、一緒に行ってしまう感じでしたが、今回は意味もなくダイブしてしまったように思います。1A84を探しに行ったのでしょうか?プリンの中に入ってるんじゃないの?

最後に、江崎プリンは最後まで存在理由がわかりませんでした。まったく共感できず、かわいそうともなんとも思えません。ただ、ゴーストがいないのに、普通に感情を持っている(タチコマも感情豊かすぎ)ので、私にもゴーストが無いんじゃないか?と思ってしまいます。ゴーストのあるなしの区別が無くなります。

グラフィック、CG

キャラクタデザインは、シーズン1から若干スリムになったのでしょうか?私はあまりこだわらないのですが、いままでの少佐の中では、かわいいので好きです。他のキャラも、特に違和感はありません。荒巻課長の髪の毛は、まずそうな生クリームにしか見えません。w

シーズン1では、少佐の顔が暗くて表情があまりよく見えませんでしたが、映画やシーズン2では、明るく見えるようになりました。
ただ、夜の戦闘シーンでは、液晶テレビではよく見えなくなるので、勘弁してほしいです。有機ELなら見えるのでしょうか?(透明同士の戦闘シーンもすごそうですが、結局どうやって倒したかがわかりません)

3Dは、メカやマシンの動きは迫力が出て、私は良いと思います。人の動きも違和感がなく見れています。逆に、人がじっとしていることが不自然で、微妙に動くのが不自然に感じます。なんか、手持無沙汰のように手を顎に当てたり、ひじを軽く曲げたりが不自然です。

音楽は、オープニングもエンディングも、印象がありません。あまり興味がありません。

残念

私の勝手なイメージですが、攻殻って1話完結のゴルゴ13やルパン3世と同じ感じだと思うんですよね。攻殻機動隊という、指輪物語ではないと思うんです。公安9課がぶつかるサイバー事件に対峙するという。
まぁ、米帝と核戦争を止める一介の事件かもしれませんが、サブマシンガンで戦おうというのが間違っています。原潜やステルス爆撃機が出てきたら、自衛軍をきちんと当ててください。帝都総理!

個人的には、設定は魔法でも超能力でもよいのですが、きちんとした設定があり、それをうまく利用したお互いの頭脳戦みたいのが好きです。片方の間抜けっぷりで話が終わってしまうのは、勘弁です。

ネトフリを色々見ていますが、オリジナル作品でいいと思ったものが、浅草キッドくらいです。
戦争映画が好きでよく見るのですが、ネトフリオリジナルもたくさんあります。しかし、戦闘シーンと陳腐な人間ドラマがあるだけで、金はかかっているのに、見るに堪えません。アメ〇カ人は、これでOK牧場なんですかね?
動画を作っていただけるのは大変うれしいですし、映像技術的には、失格になるようなものはありません。世の中は、お客さんが飛びつきやすいためだけの作品を作って、1回だけ見てくれれば大ヒットになるようなやり方しかできないのかもしれません。

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