頭を守るのはヘルメットじゃない!もしもの時の、ケガを軽くする転び方をマスターしょう

サイクリング・ポタリング
5
(12)

休日やシーズンインすると、インスタやツイッターで、ライド報告がたくさん出てきます。
しかし、残念な報告も時々あります。それは「落車しました」です。

機材の損傷も悲しいのですが、体へのダメージが一番怖いです。骨折したとなると、数週間は生活や仕事にも影響が出ます。痛みが残ったり、完全に治らないということもあります。

そんな中、気になるのが、頭をぶつける人が結構いることです。偏見かもしれませんが、特に女性です。ヘルメットのありがたみがわかったのはいいのですが、相当スピードを出していたのでしょうか?転び方が悪いのでしょうか?
頭を守るのは、ヘルメットの前に自分です。スピードを出さない、危ないところを走らないなど、事前の危険回避が一番大事ですが、もし転んだ場合の頭を(なるべく)打たない方法があります。
また、ヘルメットのおかげで、頭がい骨骨折はあまり聞きませんが、顔からいく人も多く、前歯を折ったり、顔面ずる剥けになる人もいます。

鈍いからといってめんどくさがらずに、転び方の練習をして、ケガを最小限に出来るよう、頑張ってみましょう。(なお、これはビンディングでの話です。フラットペダルの人は足を付いたり、飛び降りた方が安全かもしれません)

スポンサーリンク

プロレーサーは、転び方もうまい

落車がつきもののロードレースですが、ツールや上級者の転び方は、やはり上手です。
よくジャージが破れて腰や肩などから血を出している映像を見ますが、顔から血を出している選手はあまり見ません。まぁ、頭や顔を打つとDNFしてしまうので、映像に映らないからかもしれませんが、リタイヤしないように、頭は打たないように努力していると思います。
衝撃映像として落車シーンを見るのではなく、どうやって転んでいるか、危険回避しているかを勉強する、いい教材だと思います。

やばい転び方

転び方は様々で、ぶつかったり転び始めはどうしようもないのですが、訳が分からなくて、どうにでもなれ!というのが、一番まずい転び方です。
転んだ時は、一番大切な頭を守らなければなりません。また、手や肩から落ちると、骨が折れやすくなります。
柔道などの受け身が取れるわけではありませんが、第一に頭を地面に打たないように、第二に体全体で落ちるようにすることが基本となります。

落車の種類

落車の種類(落車の原因)によっては、回避不能になります。車との事故もそうですが、最悪の事態にならないよう、普段の走り方から気を付けなければなりません。

オーバースピード

スピードを出しすぎて、カーブを曲がり切れないなど、よくある落車です。
外側に膨らんでいき、道路からはみ出して転びます。崖だったり、壁だったりで、けがの程度が変わります。
だいたいはアスファルトからはみ出して、草などに引っ掛かってロードバイクがおいていかれ、体がアウト側前方に倒れます。

こうならないためには、コーナーに入る前に十分減速することです。(スローイン、ファストアウト)

スリップダウン

これもオーバースピードの関係もありますが、カーブを曲がっている道に砂があると、ロードバイクが外側に滑って体は内側に倒れます。または、ロードバイクを寝かせすぎると倒れます。

激突

進路に障害物や路面の損傷により転倒します。
接触程度であれば上記と同じように、よろけて横に倒れますが、正面からぶつかると体全部で衝撃を受けたり、人間だけ前方に放り出されて、受け身の取りようがありません。

高速での転倒

大けがになりやすいのが、下りでスピードが乗っていて、落ちている枝に乗ったり、苔があって滑ったりしたときに、制御不能になることです。

この場合は、高速で人間が前方に倒れ、または放り出されて、アスファルトに、こんにちはします。
そして、頭、顔面から行くことが多いのでひどい惨状になりますし、歯が折れたり、顔の骨を含めた骨折の可能性も高くなります。

こうならないように、むやみやたらにスピードは出さないことです。トレインを組んでいると、余計前方の状況がわからないので、下りでは10mくらいは離れていた方が良いです。
(よく言われるのは、自分の能力以上のスピードは出さないことです)

危ないと思ったら!

やばい!落車する!と思ったら、絶対しなければならないことは、減速です。
すぐにブレーキをかけて、倒れないようにコントロールしてください。全開ブレーキをかけると、その場で倒れるので、激突するぎりぎりまで倒れないように減速します。
そうすれば、転倒時の衝撃が減ります。スピードはケガの程度に直結しますし、転び方のコントロールしやすさも変わります。少しでも減速しましょう。

倒れ方の基本は、ハンドルから手を離さない

よく言われるのが、ハンドルから手を離さないです。
ハンドルをしっかりつかんで、体を硬直させて、衝撃に備えます。

手を離すとどうなるかというと、顔から落ちます。まず手を付こうとしますが、手だけでは支えきれません。まず手首の骨が折れますが、衝撃を吸収しきれません。
手を離すと、体の前側が倒れる方向を向きますので、顔から落ちます。

筋肉を硬直させ、体を小さくする

倒れる時は、自転車またはタイヤの接地箇所を中心に、弧を描いて倒れますので、頭や顔の方がさらにスピードが増し、ダメージが増えます。
ですので、倒れる時にバンザイしてしまうと半径の大きい方がスピードが出てケガが大きくなります。
なるべくロードバイクにくっついて、半径を小さくするのがコツです。出来るだけ体を小さく縮こまった方が良いと思います。
人間は反射的にぶつかる瞬間、筋肉に力が入ります。そうすることで、骨や内臓へのダメージを減らします。皮膚や筋肉を犠牲にして、生命を守ります。

頭はヘルメットをかぶっているので、頭がい骨骨折や頭皮への擦過傷からは守られています。
しかし頭からぶつかると、首へのダメージがあります。むち打ちや頸椎損傷です。
そのため、首を守るために首をすくめ、肩・首回りの筋肉を硬直させます。

腕、腰、太もも全体で倒れる

上の写真のように、体全体で地面にぶつかることが基本です。柔道の受け身と同じですが、ぶつかる面を大きく取ることで、衝撃を分散することが出来ます。ぶつかる面が半分になれば、当たった部分への衝撃は、倍になります。(包丁や針は、面積を極限まで減らして、力を一点に集中させています)

制御できることが、上手な乗り方

突然人や車が飛び出てきたり、急に落下物が現れて激突してしまうと、制御不能になることがあります。それは、そもそもスピードの出しすぎです。
塀で左右が見えない交差点や子どもが近くを歩いているところは、必ず徐行して、止まれるスピードで走らなければいけません。
そうすることで、突然のアクシデントに対して自転車を制御することが出来ますし、もしもぶつかっても転び方やけがの程度を低減することが出来ます

私も落車の経験はあります。
1つは田舎道の端の方を走っていて、トラクターが前から来たのを避けようとしましたが、端にはアスファルトが無くて地面が下がっており、ふらついて倒れました。
その時は、ハンドルにスマホを付けており、次の行き先を探すのに地図を見ていたので、トラクターに気が付いて慌ててしまったのが原因ですが、幸いスピードは十数km/h程度で左側から倒れました。
それでも、ジャージの肩とグローブの甲は破れ、腕と手に擦過傷をおってしまい、タイヤはパンクしたり、STIがずれたりしました。
この時もとっさでしたが、頭は打っていません。ハンドルからも手は放していないので、手の擦過傷は手の甲に付いています。スピードが低かったので、制御できる範囲だったと思います。

もう一つは制御不能でした。夜に坂のある道をトレーニングで上っていました。結構頑張って走っていましたが、その時、しばらく下を向いてしまいました。道が広かったので油断していたのですが、広いと思っていた部分がだんだん狭くなって、左の縁石というか、花壇に突っ込んでしまいました。
この時は何が起こったかわかりませんでしたが、いきなり頭から首に衝撃が走りました。要するに、ロードバイクが花壇にぶつかり、前転して頭(前頭部)から落ちたようです。
さすがに首の骨が折れたか?とも考えましたが、首の捻挫で済み、1カ月程度で全快しました。上りでスピードが十数km/hしか出ておらず、花壇の土に落ちたのが幸いだったようです。ヘルメットにダメージ痕は見られませんでしたが、ヘルメットは捨てました。
ただ、股間をトップチューブに打っており、しばらくして尿路感染症になり、熱と腫れが出ました。
さすがにこの転び方は制御不能でした。

あとは横から出てきた車にぶつかったこともあります。
国道を走っていた時、反対車線が渋滞していて、その間から道を横切ってきました。距離があったのでブレーキをかけ続けましたが、ぎりぎりぶつかり、右に倒れました。止まる寸前くらいのスピードでしたので、倒れて右半身を打ちましたが、外傷はありませんでした。うまく倒れたと思います。しかし相手の車は凹み、私のロードバイクのハンドルは曲がっていました。

それ以外は立ちごけを何回かしていますが、やはり手を離さず、体全体で倒れることで、ケガには至っていません。見た目は派手に倒れているように見えるので、恥ずかしいですが。

幸い大けがはありませんが、一緒に走っていた人や仲間の人の話では、顔や頭を打っている人がいます。
やはり一番怖いのは、下りでスピードが出ている時に転ぶことです。いくらうまく転んでも大けがをしますし、顔面骨折や皮膚がえぐれてしまうようで、整形もしなければならないようです。若い女性のユーチューバーでも、レースで落車し、顔面から落ちて上あごと歯を6本折り、額を数十針も縫ったそうです。

ここまで書いて言うのも何ですが、転び方はその人の運動神経、反射神経によるところもあると思います。教えなくてもほとんどの人は出来るのではないでしょうか。
ですので、練習しても出来ないかもしれませんが、土手の草の上などを利用して、斜めに倒れる練習を体に染みつけさせれば、いざというとき出来るかもしれません。

とにかく、スピードを出さないことが、ぶつからない、ケガを軽くする絶対条件です。私も下りでヒヤッとすることもありますが、さらにスピードを抑えるように注意しています。
仲間と走ると、つられてスピードを出したくはなりますが、特に下りは、離されても自分のペースで降りること、上級者は安全なスピードを教えることが大切だと思います。

Amazonで「ヘルメット」を探す

「一生懸命趣味しよう」のオリジナルページはこちら

このブログは役に立ちましたか?

星で評価してね!

平均評価 5 / 5. 投票数: 12

投票なし

コメント

タイトルとURLをコピーしました