脱水症状が起こるカフェインは、スポーツに不向き?
夏に水分補給は欠かせません。というか、熱中症や脱水症状になると、命にかかわります。そのために水分を取りますが、お茶やコーヒーはだめだという、謝った情報が流れています。カフェインが含まれている飲み物を取ると、利尿作用が進んでかえって脱水症状になる、水分補給にならないというのです。本当でしょうか?
水分補給なのだから、水を含んでいればなんでも良いのか?
水分補給は、身体に水分を増やすだけですから、何でも良いと思います。
水でもよいですし、スポーツドリンクやコーヒーでもよいのです。食べ物にも水分は含まれていますので、食べることでも水分補給になります。
ただ、それぞれの飲み物には特徴があるので、偏った取り方には問題が生じます。
水分の取り方
スポーツをしている時
スポーツでは汗をかきますので、多くの水分と塩分が失われます。
スポーツドリンクや経口補水液(塩水)が、身体から出て行ったミネラルを補い、水分を速やかに吸収します。
スポーツドリンクは、糖分が入っているからダメというのは、身体を動かしていない人がたくさん飲むのがダメということです。身体を動かしていれば、どんどん飲んでも、どんどん出ていきますので、問題ありません。経口補水液も塩分が多いですが、脱水気味の場合、しょっぱさを感じず、おいしいと感じます。身体の塩分不足がそう思わせているのです。しょっぱいと思ったら、飲まない方が良いでしょう。
あまり動かない時
夏は動かなくても水分が失われます。お年寄りも、室内で熱中症にかかる人が多いです。
ただし、スポーツをしている人と同じようにスポーツドリンクを飲んでいると、糖分や塩分が多くなってしまいます。水だけだと、身体の働きを助けないので、ミネラルも取り込まなければなりませんので、スポーツドリンクを薄めたり、水と交互に飲んだりして調整しましょう。
食べ物からも水分は取れますので、暑さで食欲が無くても、食べられるものをなるべく食べましょう。
飲み物別の特徴
水
水は、身体の基本です。水を飲んでもきちんと体に吸収されます。スポーツをやっていて、速やかに吸収させないと間に合わない場合や、ミネラルを失った体には、水だけでは足りないのですが、特に体を動かしていない人は、スポーツドリンクや食事の補助として、水を飲めば十分です。
スポーツドリンク
水にミネラルや塩分、糖分を混ぜています。スポーツをするとこれらの成分も体から出て行ってしまうので、それを補うのに適しています。また、水分を速やかに吸収できるように、電解イオンや浸透圧を工夫してありますので、スポーツ時には水よりも適しています。また、身体を動かすためのエネルギーも含んでいますので、カロリーは高めです。
あまり体を動かさない人にとっては飲みすぎるとカロリーオーバーになってしまいます。
経口補水液
経口補水液は、熱中症や脱水症状になりかけたときに、速やかに体に水分を吸収させます。下痢の時などにも良いです。
成分は、塩分とブドウ糖です。カロリーは、スポーツドリンクより低めです。
塩分が多めです。血液中では塩分の濃度を一定にするため、水を多く貯め込みます。そのため血液量が増加し、血圧を上げることになりますので、脱水でない時は飲まない方が良いでしょう。
コーヒー、紅茶、緑茶
これらの飲み物に共通することは、カフェインを含んでいるということです。
カフェインは、利尿作用がある為、脱水になると言いますが、実際のところ、水と一緒に飲んでいるため、すぐに脱水になるわけではありません。尿で水分が排出されやすくなるので、そのあとも継続的に豊富に水分が取れる環境では、問題ありません。(要するに、水が手に入らない砂漠でコーヒーばかり飲んでいると危険ということです。普段の生活では何の問題もありません)
体をたくさん動かす、スポーツマンなどには、やはりカフェイン
カフェインの利尿作用は、脱水になるのではなく、大量に水を使うことができ、身体の働きを助けて、動きやすくする機能があります。まさに、スポーツマンにはうってつけの成分ですね。
身体をたくさん動かすには、エネルギーが必要です。そのエネルギーを運ぶには水分、血液が必要です。エネルギーが燃えると、燃えカスが出ます。それを運んで、尿として出すのも水分が必要です。どんどん動いて、どんどん出すと、もっと水やエネルギーが必要になりますので、もっと食べて飲まなければ体は動きません。長距離のランナーやロードレーサーに補給は不可欠です。ロードバイクのレースでは、200kmも走れば、5000kcalなどが消費されるので、その分食べなければなりません。ツールドフランスでは、それを3週間もやります。それだけ蓄えて、レース中にも食べなければ間に合いません。
それを助けるのが、カフェインです。不要物を出す尿などの出が悪いと、新しい水を入れることが出来ません。利尿作用は、どんどんいらない汚れた水を出して、新しいきれいな水を入れるための準備をしてくれます。これが出来ると、身体はたくさん動くことが出来、スポーツマンの手助けをしてくれます。
言い換えれば、洗濯機の排水口の大きくしたようなものです。洗濯をして、汚れた水を捨てたいときに排水口が開きます。これが細ければ、例えば水が出ていく時間が2分かかります。排水口が大きければ、1分で出るとします。洗い、すすぎ2回とすると、3分早く洗濯が終わります。要するに、洗濯と言う仕事を早く済ませる能力があるということです。
または、トンネル工事をするのに、堀った後の土砂を運ぶ道が狭いと、なかなか運び出せません。土砂を積んだダンプが出て行かないと、空のダンプが入っていけません。カフェインは、その道を広げる役目をしています。
たまに、忙しくしていないと働いてないという、現場監督がいます。残業していないと、同じく働いていないという上司もいますが、本当はスマートに働き、あくせく感を無くした方が、効率も良く、身体にやさしいのです。利尿作用は、脱水しているのではなく、身体の働きを活性化しているのです。
何故脱水症状の恐れがあると言われるかというと、飲んで、出ていく量が、普通の水より多いからです。それは、計算すると、結果的に出る水分が多いので減っているイメージがあるだけで、無駄に体の水分が奪われているわけではありません。
エナジードリンクは、カフェインがたくさん入っているけど
近年では、エナジードリンクがもてはやされています。モンスターやレッドブル、コカ・コーラエナジーも参入しています。
コーヒーでも、目が覚める時がありますが、エナジードリンクは別格の覚醒能力があります。
これは、いろいろな成分が含まれており、体を元気にする効果が高いものを含んでいるからだと思います。
私が思うに、カフェインだけではまぁまぁの効果しかありません。私がスポーツをする前に、カフェインの錠剤を飲んだこともありますが、あまり効果が感じられません。また、緑茶や紅茶は、コーヒーほど効果を感じません。コーヒーには、カフェイン以外の何かがあると思います。それに、エナジードリンクや栄養ドリンクは、カフェインにプラス様々な成分が入っています。
炭酸入り栄養飲料のドデカミンやデカビタCでは、ローヤルゼリーやアルギニン、ガラナエキスを謳っています。リポビタンDでは、タウリン1000㎎を謳っています。
カフェインだけでなく、様々な成分との相乗効果で、身体を元気にしてくれます。
ロードバイク乗りも結構、エナジードリンクを飲んでレースに出たり、練習後に炭酸入りの栄養ドリンクを飲んでいる人が結構います。ヒルクライムレース会場では、スタート前のごみ箱に、アミノバイタルや、栄養ドリンク、サプリの空き袋が大量に捨てられているのを見ると、これらに頼っている人が多く、効果を感じているのだなぁと思います。今度これらの特集でもしてみたいですね。
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