輪行の作法を解説。駅や電車の選び方、載せ方や歩き方は?

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前回は、輪行袋の詰め方を書きましたが、今回は輪行のやり方や注意点などを書いてみたいと思います。

輪行は、大きな荷物を持って電車に乗ることになりますので、基本的には、
・空いている電車に乗る
・急いではいけない

ということになります。

混んでいる電車に乗ることは、何のルール違反でもありませんし、旅行で大きな荷物を持っている人同様、物を運んでいるだけです。文句を言われる筋合いはありません。
しかし、やはり思いやりや気を遣うのが日本人ですので、精神的にも楽に、お互い気持ちよく電車を利用したいものです。混んでいる電車にわざわざ乗ることは、よほどの理由がない限り避けた方が良いでしょう。

急がないということは、何かのトラブルにあった時に、時間に余裕を持っておこうということです。
輪行は荷物が大きく重いので、急いで歩けません。また、周りに人が多いと、時間通りに動けません。
列車が混んでいる時は、次の列車になることもあります。ホームをまたぐ、数分の乗り換えも難しいです。
また、急ぐと大切で壊れやすいロードバイクをぶつけて傷つけたり、壊れたりするかもしれません。
袋詰めに手間取ったり、場所が無かったり、忘れ物をしたり、どこか壊れたりと、ロードバイクは何かとトラブルがつきものです。それを解決するのも醍醐味の一つですが、事前に防ぐために最善を尽くしたいものです。

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電車のどこに載せるべきか?

電車には載せやすい場所があります。
それは、一番前か、一番後ろの行き止まりです。
人の移動が無いところが基本になります。

最近では、車いす用、ベビーカーや大きな荷物用として、座席を外して広いスペースを持っている列車もあります。使用されていなければ、使って問題ないと思います。

JRの長い列車(15両編成など)では、2つの列車がくっついている形になっているので、中央付近にも行き止まりがあります。そこも狙い目ですが、電車に詳しくないと、見分けるのは難しいですね。

特急や新幹線のような、進行方向を向いている座席では、行き止まりが無かったりします。
その場合は、各車両最後方の座席の後ろか、専用の荷物室、出入り口付近にスペースがあるはずです。
うまく最後方の座席が取れればよいですが、そうでないと、荷物から離れてしまいます。鍵などを使ったり、ときどき見に行って確認するようになります。
出入り口付近では、邪魔にならないように置きますが、車掌さんに確認したり、一言断っておいた方が良いでしょう。

本当にガラガラで空いている列車であれば、座席の前において、座りながら持っていても問題ありません。そういう意味では、空いているということは、気持ちも楽であり、置き場所にも自由度が生れます。

東武鉄道の特急の荷物置き場

固定方法

固定方法ですが、多くの列車は手すりのような、鉄パイプが付いているので、そこに縛り付けています。列車は揺れたり、急加速・急ブレーキなどもありますので、うまく縛らないと、倒れてしまいます。
(私は一度、輪行中に急ブレーキを体験したことがあります。線路内に人が立ち入ったという情報によるものです。電車はびっくりするような急ブレーキはかけられません。つり革につかまっていなくても倒れるような減速ではないです。その時はうまく縛れてなかったので、座席から立ち上がって倒れないよに押さえに行きました。輪行袋がちょっと滑りました)

運転席や車掌席とのドアもありますので、その前には極力置かないようにします。

中には、鉄パイプが無い列車や、乗り降りのドア側に付いている場合があります。どうしてもつかない場合は、立って持っているしかありませんが、私の縛り方を紹介します。

通常の手すり

高さ1mくらいに付いている手すりであれば、簡単に固定できます。
肩ひものフックを外し、たるまないように巻き付けたり、長さを調整して、パチンと止めるだけです。(メーカーにより、紐が簡単に外れない物もあります)

高いところにある手すり

手すりが高いところにあると、肩ひもが届かない場合があります。
その場合は、もう1本紐を持っていると便利です。
私は、輪行袋を固定するために便利なベルクロ紐を持っているので、それで延長します。
写真は、ヘアバンドを巻き付けて、延長してみました。

ドア側の手すり

行き止まり側になにも付いていないのは厄介です。
下の写真のように、乗降ドア横にはついていますが、進行方向なので、発車したときに滑って倒れてしまいます。手すりと平行に置くと、ドアにはみ出して乗り降りの邪魔になります。

これは苦労しましたが、取り付けてある手すりの太さの違いを利用しています。
壁から出ている方は薄い板状になっているので、ここにベルクロをきつめに巻き付けます。そうすると、太い手すり側までは、太さの関係で滑ってきませんせん。ここに付けたベルクロと、肩ひもを合体させています。

細いところにベルクロを取り付けて、肩ひもに合体しています

避けるべき電車

輪行の基本は、空いている電車を選ぶことです。
空いていない電車とは、通勤、通学電車です。平日の7時から9時は、絶対やめた方が良いでしょう。

あとはだいたい乗ることは可能です。平日の他の時間や休日は、まんべんなく乗っています。
ちょっと多いなというのは、学生です。学生は電車しか足が無いので、しかも集団で乗ってきます。平日や休日も朝や夕方はぶつかると混みます。とはいえ、あっという間に降りてしまうことも多いですし、彼らも部活の荷物やら何やらで荷物も多いので、お互いさまということで。

完全に空いている電車は、早朝、始発です。平日の移動は、始発や昼前を多く利用しています。休日はまんべんなく空いていると思いますが、観光地は混んでいるでしょう。
田舎の方へ行くなら、帰りは乗る人は少なく、楽に乗れます。

乗ってしまえば、後から混んできても、何とかなるものです。
混んでいるところに入っていくのは、至難の業です。

駅での歩き方

輪行の袋詰めは、駅の外で行うことが多いです。広くて空いていれば、駅の構内でも可能です。

絶対にやってはいけないのは、点字ブロックの上での作業です。目の不自由な方が使用しますので、そんなところに陣取っていては、邪魔になります。

袋詰めが終われば、切符を買って改札に向かいます。切符はICカードの普及で、買わなくて済むことが多くなりました。その点では便利ですね。

改札は広いところもありますが、狭いところしかない場合もあります。狭いところでも何とか通れます。ただ、人が多い時は、空くまで待ちましょう。
改札を通るのはとてもゆっくりになるので、せっかちな人の多い都会では、とても迷惑です。慌てると、フレームやディレイラーを、改札の機械にゴツゴツぶつけることになります。

ホームへ行くには、階段は通ることが多いですが、これは、ビンディングシューズが肝になります。私はクリートカバーを付けるので、安定して階段を降りることは出来ますが、念のため手すりの近くを歩いた方がいいでしょう。

また、今ではエレベーターが付いた駅がほとんどです(補助金で、みんな付けた)。
空いていればエレベーターを利用した方が安全です。

ホームに着けば、乗るドアまで移動しなければなりませんが、最前部や最後部に乗ることが多いので、階段から一番遠くまで行かなければならないことが多いです。時間に余裕を持って行くことが大切です。

場所取りの緊張感

ほとんど会うことは無いのですが、それでもたまに、同じく輪行をする人が、同じ列車に乗ろうとしていることがあります。土浦などのサイクリスト誘致をしていたり、大会近くで試走をする人など、同じ考えの人がいると、かちあいます。そうなると、同じ場所に取り付ける場合もあります。
一応列車の端には2台くらい取り付けられます。取り付けられなくても、空いていれば、自分で立って持っていることも可能です。
それでも、気が引ける場合は、最前部から最後部への移動も考えなければなりません。

ホームに輪行する人がいる場合、前に行こうとしていれば、私は後ろに行きます。土浦駅でない限り、2組以上とかち合ったことはありません。

乗ろうとした列車に、先にローディがいる場合もあります。とにかく、ホームへ列車が入ってくるときが、勝負です。
混んでいないか、先客がいないか?などを瞬時に判断しなければなりません。誰もいなければ、ほっとして乗り込めます。
先客がいても空いていれば、横に置きます。空いていれば特に問題はありません。
置けない場合は、別の車両に移動するなど、臨機応変に対応するしかありません。

混んでいる時が困ります。次の列車まで時間が開いてしまう場合や、次の列車を待っても空いていない状況なら、乗り込みます。別のドアや車両の方が空いていれば、そっちへ移動します。電車はすぐ締まって出発しまうので、瞬時の判断力が必要です。列車内での移動が出来ない場合は、駅に止まるたびに降りて移動するのも一つの手です。

都会で電車が10分待てば来るようであれば、次の列車を待つのも手です。
ただ、最前部、最後部は、全車両の中で一番空いている確率が高いです。そのため、ここが混んでいるようであれば、他の車両はもっと混んでいます。
時々、駅の改札や階段が端っこにあるところでは混みますが、その駅でみんな降りてくれれば空きます。
始発駅であれば、次発の止まっている電車を選ぶのも手です。

この乗り方は、私のように気を遣う場合ですので、普通の人は、輪行袋が人に当たるくらい混んでなければ、どんどん乗って問題ありません。

輪行は朝も暗いうちから

避けるべき駅

やはり大きい駅は混みます。ホームはそれほど混みませんが、改札付近はすごい人の流れです。
新宿で輪行したことはありませんが、池袋も混んでいる時に乗り換えなどをすると、人の流れをよく見ながら進まなければなりません。前から大群が押し寄せてくるので、いったん収まるまで柱の陰に隠れていたりします。

とはいえ、人が多い分、広く作られています。落ち着いていけば、進めないことはありません。
その代わり、広い分遠いです。乗り換えで何百mも歩かなければなりません。階段も多いです。

自転車なので、一つ隣の駅に行くのも手ですが、急行などが止まらない駅では、本数が少なかったり、各駅停車で到着が遅くなったりします。
早く着くのを取るか、空いているのを取るかです。

列車の中では

輪行は、長距離になることが多いです。2~3駅であれば、自転車で行った方が早いです。
基本は混んでいる道路をスルーしたいときや、離れた山や観光地などへのワープとして使うことが多いので、1時間くらいは電車に乗ることになるでしょう。

その間、立って自転車の番をしているのはつらいです。出来れば座れること優先し、ライドの疲労回復(睡眠)もついでに取ってしまうのが、理想的です。ライド帰りはSNS報告もできます。

ライバルは、子どもと鉄ちゃん

空いていても、最前部を狙っている人がいます。子どもと鉄道好きな方です。
運転席から景色をかぶり付きで見ていますので、同じような位置にいます。これは仲良くしておいた方がいいでしょう。

また、以前小学校低学年の通学の子ども達が乗ってきました。そしてみんなで、私の自転車を見つけて、袋の中を覗き込んだり、触ったりして、「なんだこれ?」「じてんしゃだ」「落とし物だ!しゃしょーさーん」などと言っていました。しょうがないので、汚れるからいじっちゃだめだよと言いに行くと、何で電車に載せているのか?どこに行くのか?とか、質問攻めにあいました。まぁ、仲良くしましょう。

↓サイクリスト向けの駅。土浦駅プレイアトレ

サイクリングリゾート|PLAYatre TSUCHIURA/プレイアトレ土浦
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その他の立ち居振る舞い

持ち物

身軽に動くには、軽ければ軽いほど良いです。
輪行で最低限必要なものは、輪行袋とクリートカバーです。

ただ、長距離になると、いろいろトラブルが付きまといます。
出来れば現金やクレジットカードなど、もしもの為に多めに持っていましょう。
最悪、タクシーや宿泊などを使うことになるかもしれません。

服装

サイクリングスタイルで乗っても、全く問題はありません。
抵抗がある方は、上にTシャツやウインドブレーカー。下はジャージや短パンを履くと良いでしょう。
サイクリングスタイルは、体を動かさないので、体が冷えてしまわないよう、上着を着た方が良いかもしれません。ただ、その分が荷物になりますのでご注意を。
私は、ライド中でも体温調整にウインドブレーカーを常備して行きますので、それを羽織っています。

ただ、雨が降ってきて、ずぶ濡れになるかもしれません。そうなると、電車に乗ること自体、気が引けます。
天気にはより注意深く。不安であれば、着替えを持つなり、現地で買うなり、中止するなどを選択しましょう。

シューズ

クリートむき出しでも、注意して歩けば問題ありません。クリートがすり減ったり、慌てると滑って転ぶかもしれません。
できれば、クリートカバーがあった方が、何かと安心です。

長距離やレースなどで、ビンディングシューズを履いている必要が短い場合は、サンダルや運動靴を持って行った方が、楽なのは確かです。ぺちゃんこになる靴は、結構便利です。

路線検索、乗り換え回数

路線検索は、スマホのおかげで瞬時に何パターンも出てくるようになりました。
私は、乗り換え回数を極力減らしています。0回が理想です。
同じホームで乗り換えなら良いのですが、別のホームの乗り換えは、端から端へ行くことも考えると、結構時間がかかります。また、乗り換えた電車が混んでいる可能性もあります。
各駅停車の方が空いていて、気持ちも楽な場合があります。
乗る駅、降りる駅で、ガラッと時間や料金が変わることがあります。自転車があるので、結構離れた別の路線の駅でも、乗り降りできるのがメリットです。それを調べるのも楽しいかもしれません。

下のブログは、輪行で下総のレースに行くときに、どこで乗り降りするか、悩んだ記事です。

輪行は電車だけではない

夜行バスや飛行機でも輪行できます。私はやったことはありませんが、幅広い行動が可能です。
行った先でレンタサイクルでもよいのですが、満足な車種が無い場合もありますので、乗り慣れた自分のロードバイクで走るのは、快適そのものです。本来の能力を十分発揮できます。

各交通会社のルールがどうこうあります。厳密に言えばだめかもしれなくても、相談したり空いたりしていれば、大丈夫なこともあります。ルールに適合していても、混んでいれば断られるかもしれません。要は、状況に応じてです。

いろいろな場所に行けるのも、輪行の醍醐味(飯能駅)
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