ロードバイクの軽量タイヤを選ぶときの注意点。ヒルクライム以外は、すべて犠牲にする覚悟を

パーツ
4.5
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タイヤはフレーム、ホイールに次ぐ、ロードバイクの性能に多大な影響を与えるパーツです。
転がりの良い高性能タイヤを履くと、スピードはどんどん速くなり、軽量タイヤを履くと、ヒルクライムが楽になり、加減速が良くなります。

そんな中毒性のあるタイヤですが、軽量に目覚めると歯止めが効きません。
私も限度なく軽量タイヤを選び、1本200gを軽く切る、パナレーサーのジラーやピレリPZERO TTを使ってきました。
しかし、デメリットも感じてきました。

パンクしやすいとか、寿命が短いというのは良く聞きますが、それ以外にも軽量タイヤに乗るための覚悟をまとめたいと思います。(話はクリンチャーです)

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寿命が短い

寿命が短いというのは、ゴムの接地面の厚さを極限まで薄くしているからです。
当然走っていると、接地面は減っていきます。接地面が薄くなると、小さな破片でも、チューブまで届いてパンクしてしまいます。要するに、手に負えないくらい、何でもないところでパンクしまくります

もう一つは、コンパウンド(ゴム)がベロっと剥がれて、ケーシングがむき出しになってしまいます。使いこんでいくうちにコンパウンドが薄くなって、はがれやすくなります。
普通に走っていて剥がれることは無いのですが、ブレーキや衝撃でベロっといきます。
そのため、ハードな使い方は出来ません。ロードレースやフルブレーキングなどはもってのほかです。やはり使い方は、TTの様な巡行、ヒルクライムのように淡々と上る程度です。踏み込んで上るのも危険です。

新品ではこんなことはなかなかありませんが、リスクはあります。
おおよそ、2000km~3000kmでこれらの症状が顕著になり、寿命となります。

パンクしやすい

普通のロードバイク用のタイヤの接地面のコンパウンドは、3~4mm程度あります。(個人の感覚です)
しかし、軽量タイヤは2mm程度しかありません。使って行くうちに、1mm程度にもなってしまうでしょう。

タイヤに破片が刺さった時に、チューブに届どけばパンクします。それは、完全に接地面のゴムの厚みに直結しています。

ピレリ P-ZERO TTの場合、私が購入した物だけかもしれませんが、真ん中の合わせの左右で厚みが違っていました。一方は1mm程度しかありませんでした。また、ピレリは柔らかく作られているため、接地面がどうしても大きくなってしまいます。(普通のタイヤは接地幅が5㎜程度ですが、ピレリは10mmほどあります)そのため、破片が刺さる確率が高くなります。
特に、雨上がりの濡れた路面は、尖った小石が立っており、タイヤに張り付きやすくなるため、かなりの確率でパンクしました。

平坦が速くない

タイヤ、ホイールは重いほど、慣性で回り続けます。加速はしづらいですが、いったん回りだすと減速しづらいので、巡行が得意になります。
逆に、軽量タイヤは加速しやすいのですが、減速もしやすいです。ブレーキも良く効きますが、足を止めるとスピードが早く落ちます。

そのため、巡行は足を回し続けなければいけません。ディープリムや重めのタイヤと比較しての話になりますが、同じスピードで巡行していると、他の人よりパワーを使うことになります。
このため、平坦レースでは不向きになります。
ただし、重めのディープリムホイールを使うことで、カバーすることは出来ます。

剛性が低い

軽くするためにコンパウンドが薄くなるので、剛性(形をとどめる)が低くなります。そのため、変形が大きくなります

まっすぐ走っている分には良いのですが、曲がったり、凸凹を走った時に、タイヤが変な変形をして、進路が変わってしまいます。思った方に進まず、ハンドル修正や減速などが頻繁に発生します。

コーナーが安定しない

上の剛性の話からの続きですが、カーブを曲がる時は、タイヤが斜めになります。タイヤに斜めから力が働くと、ゴムが薄い軽量タイヤはゆがんでしまい、本来の円い形ではなくなります
ゆがむとタイヤが曲がりたい方向に弧を描かなければならないのに、あらぬ方向へ向いてしまいます。

そんなわけで、コーナーが安定しないと、スピードを落とさざるを得ず、レースなどではハンデとなります。

下りが怖い

スピードが上がると、路面のわずかな凹凸も大きな衝撃になります。そのたびにタイヤがゆがむと方向が変わり、ハンドルを取られることになります。
下りも同様、怖くてスピードが出せなくなり、無駄に減速しなければなりません。レースでは後れを取ります。軽量タイヤは下りは苦手分野です。

値段が高い

材料は少ないのですが、値段は高いです。
寿命が短いため、コストパフォーマンスは悪くなります。

軽量タイヤは決戦用か、ポタリングで

軽量タイヤのメリットは、ヒルクライムで楽になったり、加減速が楽になります。
ですから、軽量タイヤを使う場合は、
・ヒルクライム
・アップダウンの繰り返されるコース
・街中など信号の多いポタリング

・加速が良いので足にやさしい(貧脚向き)
で効果を発揮します。

しかし、寿命が短く、高価でもある為、ポタリングで使うにはもったいないですね。

苦手なことは、
・巡行
・下りやコーナー
・うねりや凹凸のある路面

・ロードレース
です。
このような乗り方が多い人は、選ばない方が良いでしょう。

やってはいけないことは、
・急ブレーキ
・急加速、踏み込み
・急カーブ
・スピードを出す

などです。タイヤの寿命を縮めたり、落車したりする可能性があります。

これらのことから、軽量タイヤを使うのに適していることは、ヒルクライムレースであったり、アップダウンのあるコースを走ったり、少しでも楽にポタリングしたいときなどです。
ヒルクライム決戦用でもありますが、パワーに自信のない私のような人には、万能なタイヤになります。

私が軽量タイヤを使う理由

私の軽量セットとして、カンパニョーロシャマルウルトラとセットで使っています。シャマルはアルミで軽量の部類に入り、ハブも良く回るのですが、剛性がかなり低いため、軽量タイヤとの組み合わせは、ある程度を超えると怖くなります。
その為、使い方はかなりシビアになります。(尖がった特徴と言えます)

しかし、やっぱり山に行くときは必ず使いますね。貧脚の私には、多少なりとも楽になりますから。
ヒルクライムは、タイム自体はそれほど縮まりませんが、上りきった後の足の残り具合や、斜度の変わり目での加減速では、かなり有効です。
速く登ろうとするときも効果がありますが、のんびり上ろうとすれば、疲れが軽減されるのが良いです。

また、加減速が得意なため、坂のあるポタリングは得意分野です。サイクリングロードの土手の上りなど、スイスイといった感じです。
ただし、スピードを出して下ったり、曲がったりするのは苦手なので、あくまでもポタリングです。

ただ、ポタリングで使うには、寿命が短く、高価です。非常に贅沢な使い方になるので、お勧めしません。やはり、ヒルクライム決戦用や山対策に使いましょう。

そんなわけで、チームでのトレーニングなど、高速巡行では使用しません。一人の時ならいいのですが、速い人と一緒に平坦を走る時は、かなりのハンデとなります。この時は、ZONDAとGP5000に履き替えて行きます。
そんな使い方です。

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