ロードバイクの細いタイヤは、パンクしやすいことは、周知の事実です。
パンクの理由はいろいろありますが、特に軽量クリンチャータイヤは、雨上がりの路面でパンクしやすいのが悩みの種です。
軽量タイヤは接地面のゴムが薄いので、貫通しやすいことになります。(通常3mmくらいですが、軽量は2mmくらい)
雨の日にパンクしやすい理由
特に雨の日のパンクについて、その理由を調べてみると、
・雨で砂やごみが路面に流れてくる
・水でタイヤが切れやすくなる
ということです。
確かに土手の下のサイクリングロードを走っていると、土手から水が流れ出ており、土なども一緒に流れてきます。
これでタイヤをパンクさせる原因となる異物が、たくさん並んでいることになります。
水でタイヤが切れやすくなるというのは、切るものと切られるものの間の摩擦が減るということです。
刃物に水や油を付けて切ったり切削したりするのも、このためです。
理屈は下の図のようになります。
深く入る時の摩擦が、水の有無で変化する
押される力を100とすると、尖った先端に100の力がかかります。この力で刺さり始め、穴が開きます。
しかしどんどん押されていくと、タイヤと異物との間の摩擦がどんどん増えていき、入りづらくなります。のこぎりでも木を深く切っていくと、抵抗が増えて動かなくなるのと似ています。
(摩擦や差す力の数値はイメージです)
これがポイントで、乾いている時は抵抗が大きくて奥に入らないのですが、雨の日や濡れた路面では、滑りやすくなり、タイヤと異物の間の抵抗が減って、尖った先端が奥まで入りやすくなってしまいます。
雨の時より、雨上がりなのはなぜ?
ただ、少し解せないところがあって、それであれば雨の中を走っていても、パンクしやすいのではないか?と思うのです。
確かに、雨の日に乗る機会は非常に少ないので、そのせいでパンクした例が少ないのかもしれません。雨上がりの路面の方が、結構走る機会が多いかもしれません。
とはいえ、感覚的には、雨上がりの路面の方がパンクしやすいと感じるのです。
それはタイヤが濡れると、異物がタイヤにくっつきやすいということだと思います。
尖った砂粒やガラス片がタイヤにくっついて、タイヤが回転して地面に接触するたびに、同じところを何度も押し込むので、パンクしやすいのではないか?ということです。
雨上がりにパンクしたときに、タイヤのパンクした箇所を見てみると、必ずと言っていいほど、タイヤに砂粒やガラス片が刺さっています。それも、2mm程度の小さな粒がめり込んでいます。
おそらくですが、雨が降っているときは水の量が多すぎて、タイヤに異物がくっつかずに流れてしまうのではないかと思います。濡れたタイヤで砂や土の上を走ると、タイヤにいっぱいくっつきます。これらと同じで、雨が降っておらず、雨上がりの濡れた路面により、タイヤも適度に濡れ、パンクの原因になる異物がくっつくのだと思います。
ヒルクライムの決戦用として軽量タイヤは、特に薄く軽く作られているので、パンクのリスクが増えます。また、ヒルクライムは雨が降りやすかったり、路面が乾きづらいなど、濡れた道路を走ることが多いので、なおさらパンクの危険があります。だからと言って、雨上がりにタイヤを交換するのも簡単ではありません。
とはいえ、現在はヒルクライムでも軽量タイヤを使わない人も多いです。転がりの良いGP5000で23Cであれば、ヒルクライムにも十分通用します。また、通常のタイヤでも、軽量タイヤに近い軽さの物も多いです。アジリストもかなり軽い設計になっています。
この辺りは乗り方もあるので、いろいろ試してみて、自分の納得するところを探るのが良いかと思います。
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