車社会の中を、自転車で走ること

自転車・ロードバイク
4.7
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日本は車中心の社会です。自転車はどちらかというと、邪魔ものです。
しかし、エコや環境にやさしいという理由で、自転車をもっと普及させようという動きもあります。
それでも、自転車が普及しない、自転車専用道やサイクルイベントが盛り上がらない理由を、道路交通法、政治、税金から考えてみます。

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SNSでは、自転車の悪口ばかり

SNSで、フェイスブックやツイッターをやっていますが、主に、趣味や社会の情報収集として利用しています。しかし、闇の部分が多くて困っています。

今のSNSでは、友達としてのつながりに楽しさがあります。フォローしあったり、喜びを共有して楽しんでいます。
しかし、そのフォロワーが、悪態をついたらどうでしょう?完全匿名の掲示板では、誰だかわからないので無視できますが、フォロワー同士では、たわいもない会話でも反応しなければならなかったりするので、不安になったり、不信になったりします。
自転車関係でも、信号無視を見た、右側通行していた、高価なロードバイクがどうのこうのいう話で、ちょくちょく感情的になって炎上しています。

そのような書き込みも、もとは正義感とか悪気はないところから書かれています。確かに、きちんと道路交通法守ればよい話です。
しかし、人それぞれの事情や状況があります。とても100文字程度では説明できませんので、誤解が生れて当然です。
本来は、悪いことや危険なことを無くそうとした書き込みは、炎上することで、最終的には、自転車が悪者になり、自転車全体のイメージが悪くなります。

道路交通法を正しく理解すれば、無駄な言い争いは減るかもしれません。道路交通法の内容や、誤解しやすいポイントを考えてみます。

道路交通法上の自転車

自転車は車両

自転車は軽車両に属しています。軽車両は、動力を持たない車両です。ただし、軽車両、原動機付自転車、自動車をひっくるめて、車両となっています。というわけで、自転車は車両に含まれます。
たまに看板に、車両侵入禁止などと書かれると、入っていいの?と考えてしまいます。自転車が行き来してそうなところですが、正式な標識ではなく、注意喚起の看板などに書かれていると、さらに悩んでしまいます。
しかし、道交法を見ると、自転車は、、、という別書きが多いです。一般的には、車両と同じ運用だけど、こういう時は、こっちを走ってね、という書き方がされています。標識をよく見なければわかりません。

自転車は、車道を走らなければならないの?

基本は、自転車は車道を走らなければならないです。
しかし、但し書きがあり、歩道に「自転車通行可」の標識がある場合や「自転車通行帯」がある場合、13歳未満又は70歳以上、または身体が不自由な人の場合、そして、歩道を通行することが「やむを得ない」と認められる場合などです。

歩道を通行することがやむを得ないというのは、例外ではなくきちんとしたルールです。私は、残念ながら現在の交通事情では、歩道を走らなければならない状況はたくさんあると思います。
私の住んでいる田舎の方では、比較的車道を走ることは出来ますが、やや狭い道路で交通量が多く、トラックなどの大型車両も頻繁に往来し、自転車が走ることで追い抜き出来ずに渋滞を招いている場合がありますが、これは、速やかに歩道に入るべきだと思います。また、新しい道路には、立派な歩道を作らなければなりませんが、民家など見えないバイパス沿いでは、歩いている人は全くいません。こんな立派な歩道を使わずに交通量の多い車道を走ることは事故の確率を上げているだけだと思います。

都会はよく分かりませんが、車道を走っても狭くて車が多く、歩道も人が多くてまずスピードが出せません。ですが、これで車道を走れと言っても、事故のリスクを増やすだけだと思います。そういう時は、歩道を歩行者を優先しながら徐行、または降りて押すべきだと思います。
(地域によって、ルールを変えるべきだと思います。なんでもそうですが、悪いところに合わせると、効率が悪くなったり、矛盾が起こったりします)

ヘルメットはかぶらなければいけないの?

道交法では、ヘルメットをかぶる義務はありません。(13歳未満を除く)
ただ、自分の命を守るために、ヘルメットはかぶった方がいいよというだけです。
本来、自転車は、ゆっくり走ることを想定しています。いくらロードバイクやクロスバイクでも、平らな道でも30km/h~40km/hを出す人は多くないでしょう。

また、ロングライドなどで、長時間車道を走り、自動車との接近を繰り返していれば、事故のリスクが高まります。
競技者や、車と接近する人には、ヘルメットが必要と考えた方が自然でしょう。

自転車は、2段階右折

交差点では、自転車は2段階右折をしなければなりません。前方の信号が青になったら道路を渡り、右折方向の信号が青になるまで、角で停止しなければなりません。
まぁ、これは特に問題なさそうですが、どんな道路でもうまくいくとは限りません。

信号のない交差点はどうでしょう?
また、電柱が多く、歩道や側道の無い交差点やT字路で、人通りも多ければ、待つ場所もなさそうです。
これで法律が守れるのか?と思うような場所もあります。

自転車は左側通行

道路に出て、右側のお店に行きたいときはどうでしょうか?
これがちょっと厄介です。法律通りで行くとなると、道路は左側通行ですから、右に行きたいときは、道路の向こう側にわたって、左側通行し、目的地に着いたら、右へ横断しなければなりません。大きい道路であれば、道路を渡ることは出来ず、左に曲がって横断できるところまで進み、道路を渡ってUターンして、今度は目的地の先の道路を渡れるところまで行って道路を渡り、左側通行でお店に入らなければなりません。
たとえば、それが右側50m先のお店でも、横断歩道を渡ることで2kmの道のりになったとしても、守らなければならないのでしょうか?(自転車を押して進めばいいとは思いますが)

私の考えでは、自動車や自転車の為に、すべての道路を作っていない(作ることは出来ない)と考えています。身近でみんなが疑問に思うことは、警察署のホームページなどで、ある程度は詳しく書かれていますが、正直、いちいち聞くなと思っていると思います。
色々な状況に対して、どれが正解なのか?とか、こういうのは違法?とかは、状況にもよるので、自分で考えろということです。
逮捕される事例でも、法律に当てはめようとしても、すべての事例を網羅しているわけではありませんので、裁判という制度があります。事件が起こってから、その状況を調べて、どれだけの量刑にするかを決めるのです。

交通ルールでも、だれにも迷惑が掛からず、車も通っていないところで交通ルールを破ったとしても、それをいちいち裁判にかけるのでしょうか?聞くこと自体、無駄な労力と余計なトラブルの元になります。

道路交通法は、何かあった時の為のルール

変な話、法律は違反しても、見つからなければ捕まりません。見つかっても、逮捕されなければ、裁かれません。
40km/hの道路を41km/hで走ると、即逮捕されるでしょうか?

法律は、こういう行動は罪となり、警察は逮捕しなければならないということと、この罪を犯すと、懲役何年以下、罰金何万円以下と書かれています。要するに、その罪で捕まった人の量刑が書かれています。
要するに、違反しようとする人を阻止するシステムはありませんし、違反しようとしたときに、止めにいく人も配置されていません。違反しようとすれば出来てしまいます。違反しないと捕まえられません。法律は量刑が書かれているだけで、その罪を犯させない方法は書いてありません。(ちょっと意地悪な言い方です)

事故を起こした時に、どの法律を違反したかを確認して、責任の度合いを決めます。
事故を起こしていないのに、違反しただけで捕まえるのは、効率が悪いということです。

捕まえたいから、法律を作る

誰かが被害を受けると、被害届を出しますが、それに当てはまる法律がないと、逮捕できません。あいつの髪の毛ピンクだぞ!って言っても、その人を罰することは出来ません。

その程度では、法律は作りませんが、以前は酒酔い運転の罪が軽かったり、自転車での死亡事故が起こったりしたため、罰則を作ったり、罪が重くなるように改正されたりしています。
例えば、グレーな薬物やサイバー犯罪、オレオレ詐欺、テンバイヤーも昔は法律が無かったため、起こり始めたころは捕まえられませんでした。そのため、法律はどんどん改正されます。
政治家が悪いことをしても、いつも不起訴で終わってしまうので、ちゃんと法律を改正して欲しいですね。

騒ぐと出来る法律

良くも悪くも、世間が騒ぐと法律が出来ます。報道で、大げさに騒ぐと、それに先導されて、世の中の声が大きくなります。昔はデモ行進とかで、講義や意見の声を上げたり、選挙活動や政治活動にも積極的でした。
現代では、SNSが発達しており、ツイッターなどで炎上することで、若干の火種が生れます。

しかし、SNSも意外と見ている人は少なく、実際はそれがマスコミに取り上げられない限りは、世の中は動きません。今も昔も、テレビの影響が大きいことは変わりないですね。
そういう状況から作られた法律は、たくさんあると思います。

すでに自動車は、がんじがらめ

現在でも、高齢者の事故やあおり運転が、マスコミにより大きく取り上げられています。あおり運転も即免停になったり、高齢者の自主返納など、制度もどんどん追加されています。

昔は、車も法律もゆるく、自由な雰囲気で、メーカーは最初こそ壊れない車を作っていましたが、だんだんと馬力や装備で競争していき、乗り手も性能を楽しんでいました。
その代償が、交通事故の多さや死者の多さになったと思われます。
おかげで、シートベルトをするようになったり、馬力は自主規制され、取り締まりの強化、キャンペーン活動、駐車違反取り締まりの民間委託など、厳しく法律を守ってもらうよう、対応を取っています。

おかげで、自動車も重くなり、スポーツカーなどもほとんど開発されず、乗る人も楽しむ乗り方が出来なくなっています。すでに車を運転する楽しさや、面白い興味深い車は、法整備により失われています。

でも、しょうがないですね。年間10万人近くの人が亡くなっていたのですから、放っておくわけにはいきません。

社会の理不尽さ

でも、なぜ自動車は、完全排除されないのでしょうか?工場でも1件労災が起これば大騒ぎです。自動車は、長年何十万人も亡くなってきたのですから、自動運転が導入できないとか、1件事故が起こったから使えないとか騒ぐのは、おかしな話です。自転車では、1件死亡事故が起こると、大きく報道されます。
これが社会の理不尽さです。

なぜ自動車は廃止されないのか?

きれいごとを言えば、自動車は社会に必要な物。経済を回し、生活を便利にしていると。
確かに経済を回していますが、この一部が利権になります。
要するに、自動車産業はたくさん税金を納めているということです。特に与党への政治献金に占める割合は、かなり大きくなっています。

そうなると、政治への意見が強く言えるようになります。政策も自動車産業を優遇します。エコカー減税と言って、まだ使える車を買い替えさせます。補助金も出します。税金だから、政治家は痛くありません。
自動車が売れれば、政治家も潤います。世間が車は危険だ!取り締まれ!と言っても、返事だけで、小手先でお茶を濁してしまいます。
結局はお金の力です。

自転車は優遇されなくて当たり前

今までの話から、自転車業界が、どれだけ社会に貢献して、経済を回しているのでしょうか?
誰かが100万円もする高級ロードバイクを買ったとします。ですが、誰かが軽自動車を買うくらいの値段です。高級ロードバイクを買う人と、軽自動車を買う人はどちらが多いでしょうか?また、自動車を買った後は、自動車税や重量税、ガソリン税を払っています。また、高額な保険料も払っています。
自転車には消費税はかかっても、道路の税金も払っていません。防犯登録くらいです。保険も微々たるもので、ガソリンを使わないエコなため、お金を使いません。ご飯はたくさん食べますが。

そんな自転車乗りの為に、道路を作ってくれるでしょうか?自転車専用通行帯を作ってくれるでしょうか?バイクラックを置いたり、駐輪場を整備しても、あまり経済の役には立ちません。
エコロジーや地球温暖化対策などは、やりたくてやっているわけではありません。お金を使わないのがエコなのに、お金を使わせるエコばかりやっています。
会議で決めたことで、批判を受けるからやっているようなものです。大統領が変わってから、金にならないことはやらない、守らない大国を見れば、よくわかりますね。

要は、儲からない物に、税金もお金も流れてきません。特に私のような、格安ロードバイクを買って、寄り道もせず安い羊羹やあんぱんを買って食べているようなエコな人間は、誰も相手にしてくれません。道路を使わせてもらっているだけ、ありがたいと思え、ということなのです。

ディスっているわけではない

私は、ロードバイクが普及して欲しいと思っているだけで、馬鹿にしているわけではなく、相手はおそらくこう思っているだろうなぁという想像で書いています。
ですから、これから、どうやったら自転車が普及するか、考えてみます。やはり原因をはっきりさせないと、上辺だけの議論では、解決しません。

騒いで困るのは、自分たち

先ほども書きましたが、世間が騒ぐと法律が整備されます。世間が騒ぐというのは、マスコミやSNSで継続的に問題提起されることです。
でも、自転車が邪魔とか、交通ルールを守らないと言っている人は、意外と自転車に乗っている人ではないでしょうか。自分らが乗っているからこそ、目につく、目に余る行動なのでしょうが、それを本人に言わず、わざわざ世間に目を向けさせるように、さらしたりののしったりとしているように感じます。

自分らで騒ぐことで法律が出来、自由な行動が制限されることに気付いてください。
炎上することは、そういう行為をやめさせることが出来るのではなく、世間の反感を買って注目を浴び、自転車に乗る人が全員悪者みたいに扱われるだけです。

市場規模を大きくし、お金を使うこと

自動車業界では、市場規模が大きいので、衰退してしまうと、国の力が弱くなってしまいます。今、日本が世界に誇れるものは、自動車くらいしかありません。
ですから、道路や自動車に税金を投入しないと、社会全体に影響があります。
自転車に税金を投入しても、消費は増えず、逆に減らしても、文句の声は小さいものです。

日本全国に広く道路網が整備されている日本は、自動車の税金や産業のおかげなのです。それを使わせてもらっているだけでも、自転車はありがたいことなのかもしれません。
同じ市場規模になることは不可能ですが、サイクリングロードやコースの整備などしてもらうには、最低限のお金が必要ということです。

いちいち晒さないことと、人を増やすこと

結論としまして、
・悪いことは晒さないこと
・新参者を増やし、市場規模を大きくすること
となりました。

悪い人がいたら黙っていろとは言っていません。目の前にいたら、声を掛けるのも手ですが、反撃の危険もあるので、その所属の団体や会社、学校に言うのが一番無難です。一応穏やかに言わないと、それも自分たちの首を絞めることになります。
ツイッターなどで晒すことは、自転車乗り同士も不快ですし、関係ない人も、自転車乗りのイメージを悪くさせます。メッセージなどの非公開の方が良いです。マスコミが、自転車が暴走している映像を流しますが、これに文句を言う前に、SNSでも自分の書き込みには注意してください。

自転車に興味がありそうな人を誘ってみてください。そして優しく接してあげてください。
けして、斜度7%のヒルクライムに連れて行ってはいけません。平らで車のいない道路をサイクリングして、おいしいものを食べてください。
そして、自転車を趣味にしてくれる人が増えれば、その経済効果や意見は無視できなくなり、世の中も政治も動いてくれるでしょう。

SNSでつぶやくなら、ポジティブで楽しいことをつぶやきましょう。

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