ロードバイクのメンテナンスとして、チェーンオイルは必須です。
普通の自転車と違って、スピードや軽さを求めるロードバイクは、チェーンの錆やオイル切れなどは論外で、どんなオイルを使うか、どれだけ洗浄するかがとても大切です。
私は、ワコーズのラスペネとチェーンルブを使ってきました。丁寧に洗浄と注油を行うことで、性能が上がることがわかりました。
そんなチェーンルブも3年使って残りが無くなってきました。
いざ新しいものを買おうと思いましたが、他にもいろいろチェーンルブも出ています。しかし、他の種類を全く知らないため、この機会に調べて新しいものにチャレンジしてみようと思いました。
チェーンルブをいろいろ調べてみた
チェーンルブとは、スプレータイプではなく、1滴1滴、チェーンのコマに塗っていくイメージです。しかし、スプレータイプのものもあります。ルブとはルブリカントの略で、潤滑剤という意味らしいです。
スプレータイプは簡単に塗布できますので一つワコーズのを持っていますが、丁寧に掃除したときは、1滴ずつ塗布したいので、ボトルタイプ(スポイトタイプ?)を一つ持っておきたいです。
まず気になったのは、レース会場などでお店を出していたEXLUBです。私は知らなかったのですが、かなり評判が良いと、みんな言っていました。
会場では、EXLUBを塗った円盤を、思いっきりブレーキをかけても滑り続けるパフォーマンスをしていました。それをもらって付けた人もよいと言っていました。
次にSNSでたまたま話題に上っていた、GOKISOのチェーンルブです。
なぜそんなに評判がいいのかというと、どうやらその仕組みの特徴に、固形潤滑剤があるようです。
この固形潤滑剤の微粒子は、チェーンプレート内部やチェーンとギアの間の隙間に入り、金属表面を分子間結合力(ファンデルワールス力)により密着させて、動きがスムーズになるということらしいです。
私なりに調べると、ヤモリの足は吸盤が無いのに貼りつくのは、ナノサイズの無数の剛毛があり、分子レベルの小さな引力が、その大多数のおかげで強力な吸引力となるようです。
その吸引力で抵抗が減るということらしいです。(難しい)
私はこれを、「小さい球がベアリングの様に転がるんだ」と勘違いし、他にも固形潤滑剤が無いかと探しました。(GOKISOとGREEN DRIVEは、同じ固形潤滑剤でも、仕組みが違うようです)
そして見つけたのが、ブリヂストンサイクルのGREEN DRIVEです。
こちらは、小さな球がボールベアリングの様に機能し、回転や摺動がスムーズになるということらしいです。
そして、GREEN DRIVEを購入することにしました。
なぜGREEN DRIVEにしたかというと、水置換性をうたっているという点です。どうしても水分が付着した後に塗布するので、完全に乾燥させられずに使えるのは、GREEN DRIVEの方かなと思い、購入してみました。
グリーンドライブのスペック
ホームページを調べると、「オイルは、摩擦係数の低い高性能な「化学合成油」を採用し、固体潤滑剤には、「フラーレン」と「ポーラスシリカ」を配合。化学合成油と2つの固体潤滑剤のトリプル効果により、ペダルを漕ぎ出した瞬間から、驚くほどの軽さを実感できる潤滑性を発揮します。」
と書かれています。化学合成油の潤滑性と、フラーレンとポーラスシリカの働きで、回転がスムーズになっているようです。
この2つの固形潤滑剤は、ボールベアリングの様に、コロコロ転がって、チェーンの回転や摺動をスムーズにしていると書かれています。
また、決め手となった、水置換性ですが、化学合成油がその役割を果たしているようです。
従来の水置換性と浸透性の添加物が不要になっています。その添加物は、入りやすく、逆に出やすいという特性もある為、長持ちしないようです。この化学合成油のおかげで、厚い油膜が維持され、長距離でも摺動性能が維持されるということです。
また、油膜が厚いため、雨にも流れにくいとのことです。
使い方
使い方は簡単です。ポイントは、
・事前にチェーンを洗浄する
・ボトルを良く振る
・チェーンのコマに1滴ずつ付ける
・なじんだら拭き取る
です。
まず、固形潤滑剤がボトルの底に沈殿しているので、良く振って混ぜなければならないそうです。
そして、なじんだらすぐ拭き取れるそうです。(私の感覚では、クランクをくるくる回して、だいたい10分以上)
以前使っていたワコーズは、半日以上置かなければならなかったので、乗る当日に施工しても間に合いますね。とても便利です。
また、水置換性もあるので、洗車後に水気が完全に乾く前でも塗布できます。完全に乾かすとなると、エアブロアなどが必要です。自然乾燥では時間がかかりますし、最悪サビが出始めてしまいます。
私は、アパートであり、水洗浄が出来ないので、ワコーズのチェーンクリーナーで古い油を溶かした後、マルチフォーミングで汚れを落とします。
そして、水分をウェスやペーパーで十分に拭き取った後に、1滴ずつ塗布します。
それから、チェーンを回してなじませて、30分後くらいに念入りに拭き取ります。昔はベトベトが効果あるんじゃないかと思っていましたが、外側に出ている部分は役に立ちませんし、汚れが付着しやすくなります。
付けてみた感想ですが、クランクがスーッと軽くなり、今までよりくるくる回ります、、、というほどではありませんでした。軽くはなりますが、ワコーズと同じレベルです。
しかし、付けたときと乗った時では、違うということを実感したのが、このグリーンドライブです。
乗ってみた感想です
まず最初は50kmほど走ってみました。(ちなみにチェーンはデュラエース、チェーンリングとスプロケットは、アルテグラです)
走り始めは、ワコーズ同様、メンテナンス後のスムーズな走りに変わりありませんでした。
しかし、走り続けているうちに、回り方が違うような気がしました。なんか、機械的に安定して回転しているような、摺動しているような感じです。
完全にプラシーボ効果だと思いますが、本当にチェーン1コマずつがベアリングになったように動いているような気がします。(だからと言って、速くなったりはしません)常に安定して摺動している感じです。
性能的には、ワコーズよりわずかに良いような感じです。
そのあと、またクリーニングし、付け直して100km走りました。
何というか、100km走っても、摺動性能は変わりません。常にスムーズに回っている感じです。
ワコーズでは、付け始め、なじみ、劣化がわかりました。そういう経過によるムラが無い感じです。
そして帰ってきて気付いたのが、あまりチェーンやスプロケットが汚れていないということです。
いつもであれば、結構砂が付いて、じゃりじゃりし始めるころです。
そのまま数日後にノーメンテで走ったのですが、摺動性は落ちていません。変わらずスムーズに回転している感じです。オイルが切れるとか長持ちするというよりは、ベアリングが組み込まれた感じで、メカニカルなパーツを追加したような感じです。
(2022/7/17追記)富士ヒルのあと、メンテを3週間ほどさぼったのですが、チェーンは気持ちよく回っています。表面上は黒くなってきましたが、内部は塗った直後のような摺動性が保たれているような気がします。400kmくらいは走っていますが、普通のオイルより、汚れが付きづらいような気がします。
口コミでは
口コミやレビューでは、GOKISOもGREEN DRIVEもどちらも高評価で、甲乙が付けがたいです。どちらも満足という意見しか載っていません。どちらを買っても間違えは無いと思います。
私は今回GREEN DRIVEをチョイスしてみましたが、非常に満足度が高くなっています。
ただ、人によって、使い方や感じ方で好みもあるかと思います。
次回はGOKISOを買って、どちらを使うかを決めてみようと思っています。
かといって、チェーンオイルでパワーがアップすることはありません。やはり、乗り手の力が第一になります。
しかし、1秒、0.1km/hを考えると、確実に効果があります。レースやタイムを気にする人は、突き詰める必要がありますし、効果の高い製品を使わなければなりません。
まとめ
余談ですが、ワコーズのチェーンルブは、最初付けてすぐの時はそれほど回りが良くありません。チェーンもアウターローなどに入れると、音がします。
そのまま次の日に乗るとちょうど良くなり、チェーンの音もなくなり、スムーズに走ります。
推測ですが、塗布して半日経つと、ワックスが固まりますが、最初は当りが無くなるまでしばらく走らなければなさそうです。ただ走っていくうちに、汚れも付いて、砂も噛んでくるので、おいしい期間は短いような気がします。
その点、グリーンドライブは、初めからおいしい期間が長続きする気がしました。
機械的な摺動であれば、その性能は落ちづらいという理屈が通ります。
アウターローなどでも、チェーンの摺動音はせず、シフトチェンジも引っかかりがなく、スムーズです。
ちなみに、固いとか、柔らかいとかはよくわかりません。ワコーズはパワーを使っていましたので、柔らかめだと思いますが、それと同じ感じはします。特に足くくる感じはなく、ドッカンパワーが出る感じもないので、固くはないと思います。
よく何日間も持つとか、落ちづらいとか言いますが、私はあまり気になりませんでした。どうしても、乗った後はクリーニングが必要ですし、ここぞというときは完ぺきに汚れや古いオイルは除去したいので、その都度オイル塗布は必要になります。
ただ、このグリーンドライブは、汚れが付きづらいと思います。拭き取ってもまたオイルはにじみ出てきますが、これをふき取るだけで、まだオイルの性能が効いている気がします。
ですので、塗布して乗った後、はみ出たオイルと汚れをふき取っても、1週間程度はほとんど性能が落ちずに使用できる感じです。
瞬発系で効果が高いのも良いですが、高い効果が長期間続くのであれば、それに越したことはありません。
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