久しぶりの八方ヶ原でタイム計測
栃木県矢板市の八方ヶ原で、チームメンバー他とヒルクライムのタイム計測を行いました。
八方ヶ原は高原山山麓にある、栃木県で最も難易度の高いヒルクライムコースです。
大会のコーススペックは、距離13.4km、平均斜度7.1%で、景色を見渡せるところはほぼありませんが、木々の中を黙々と7~8%の斜度を上り続けるようなコースです。
ここは、私の家からも近いので、自走で30分くらいですが、一度上ると1週間足を痛めて、体もボロボロになってしまうので、上るのは年に数回です。今は家から離れてしまったので、なかなか登りに行くことが出来ません。今回は、1年ぶりです。
やいた八方ヶ原ヒルクライムレースも2回出ていますが、去年はコロナで中止となり、今年(2021年)も早々に中止が発表されています。
そんなコースを走るのですが、ロードバイクを始めて半年後のヒルクライムレースで出したタイムが、3年間ずーっとプライベートベストでした。一時期はヒルクライムから逃げていた為、かなり遅くなってしまいました。やっと最近は練習量こそ減りましたが、ヒルクライムの為にトレーニングをしています。
3年たって、ロードバイクもカーボンフレームになり、2kgほど軽くなりました。パワーメーターも導入し、練習に役立てています。タイヤやホイールもヒルクライム仕様で、体重も当時より3kgほど減っています。
タイム更新は当然の中、改めて八方ヶ原について分析してみました。
今回こだわったのは、ペース配分
いろいろな文献やユーチューブ動画を見あさって、ヒルクライム攻略法を勉強しました。
機材やトレーニング、食事や上り方もできる範囲でやってみました。
ただ、ひとつ分からなかったのが、ペース配分です。
最初は8割程度の力と書かれていますが、そりゃあ最初から100%スプリントするはずが無いと思っていました。しかし、8割とは、FTPの8割です。
私のFTPはきちんと測ったことは無いですが、約200Wと考えています。8割は160Wくらいなので、これはかなりゆっくりです。ポタリングレベルです。
ただ、パワーメーターを使ってから分析すると、ヒルクライムでタイムアタックしている時の、最初の2~3分は300Wくらいで走っていますが、すぐに力尽きてトータル平均150Wくらいで収まってしまいます。FTPは200Wあるのに、20~30分のヒルクライムで、これはおかしな数字なんですね。
要するに、最初から最後まで頑張れば、いいタイムを出せる思っていたけど、実際は最初に足と心肺がいっぱいになって、あとは苦しみながら、だらだら上っているだけだったんですね。
そのため、パワーメーターの数字に縛られると言われるかもしれませんが、
・スタート直後は200Wを越えないように走る
・中盤から少しずつ様子を見ながらペースを上げる
・ラスト3kmくらいで100%出し切る
ということだけを考えて、上ることにしました。
いざスタート
最初の1kmくらいは緩斜面なので、どのくらいのペースで走るか、いつも悩んでいて、スタート前は緊張していました。
しかし今回は、8割の力で走ると決めていたので、気持ちはかなり楽で、非常にリラックス出来ました。
いざスタートし、軽く加速しているつもりでしたが、簡単に200Wを越えています。ここでペースを落とさせてもらいます。淡々とゆるい緩斜面区間を進んで行きます。
ほどなく急斜面が現れます。いきなり10%超えのヘアピン2つから入りますが、いつもであれば、このヘアピンを過ぎて斜度が緩むあたりで苦しさマックスに突入しています。
しかし今回は、淡々と上ることが出来ました。苦しさとしては、70%くらいです。それなのに、スピード自体は変わっていないような気がします。
序盤から効果あり!
そのあとも淡々と進みます。
八方ヶ原は、基本7~8%の斜度で最後まで行きます。そこに10%の斜度がちりばめられています。なので、急斜面をクリアしたと思って進んでいる斜度は8%であり、この8%をいかに楽に上るかが鍵のようです。急斜面をクリアする力を残すように、8%を余裕を持って進まなければならないようです。
そして、今乗っているロードバイクのスプロケットは、純正で最大30tが付いていました。速く走るには重いギアの方が良い場合もあるでしょうが、私は力が無いので、惜しげもなく30tを使いました。昔のバイクは28tで、ケイデンスは60rpm以下に落ち込むこともありましたが、今回は平均70rpmくらいで回し続けることが出来たので、かなり効果があったようです。(本当は、80rpm以上で回したい)
序盤の県民の森分岐までは、緩斜面2回を挟んでいます。いくつか目印を覚えていて、そこを目標に走っているのですが、今までより、目標物に到達するのが楽で早く感じます。いつもは休んでいる緩斜面でも、速度を上げる余裕がありました。県森分岐までは20分切りたかったのですが、タイムはそれほど伸びません。少しは縮めている感じです。
県民の森分岐を過ぎて
県民の森分岐を過ぎてからも斜度は緩みませんが、以前の目標である、左側の広がった地点まできました。昔はここを過ぎればなんとか行けるという目標であったのですが、今回冷静に走ってみると、ここを過ぎても斜度は緩みません。
一旦下り基調になり、楽になる場所があります。気持ちは楽になります。
ここを過ぎればもう最後のひと踏ん張りと思って、少し踏んでしまいました。いつもは、後半は心拍も上がらず、力も入らず、だらだらと登っていたので、それほど斜度や距離は無いものだと感じていましたが、その考えが間違っていたようです。
ラストの誤算?
前半ほどの急斜面は影を潜め、8%かそれ以下の斜面が増えてきます。
1時間切るとなると、山の駅たかはら分岐点まで、47分くらいで行かなければなりませんが、53分くらいでした。1時間切りは絶望です。第2の目標1時間5分を目指します。
昔の記憶から、山の駅分岐から残り3kmは、消化試合のように楽に行けると考えていましたが、今回余力を残して来てみると、斜度はやっぱり8%平均で、全然緩くありません。昔の記憶はもうろうとしたときのものだったようです。
ここまでで少しペースを上げてしまったため、残り3kmのタイムはあまり上がりませんでした。パワー平均も途中までよりだいぶ下がってしまいました。ここに経験不足が現れたようです。
最後に視界が開け、大間々台の八方ヶ原が広がります。つつじも咲いています。読みの甘さからペースは上げられず、最後にスプリントを残すだけです。ゴールでしっかり心拍を上げきることは出来ました。
反省会
結果ですが、プライベートベストの1時間13分から、5分短縮の1時間8分です。
気持ちとしては、もっと縮めたかったです。ほぼ機材の更新分のタイム短縮のような気がしますが、あとは、本人の努力次第で、まだ上がるような気もします。
今回のペース配分は、かなり効果を感じました。
ほぼゴールに至るまで、冷静に周りの状況を見ながら走ることが出来たと思います。楽してゴール?というわけではありませんので、もっと速く走れたとは言いませんが、もっとテクニックとして向上の余地がありそうな気がします。
また、効果として、
・呼吸が楽だった
・心臓も楽だった
・腰が痛くならなかった
・足がパンパンにならなかった
・スピードも維持できた
・ケイデンスも増えた
などあります。
今までは、すぐに心肺と足がいっぱいになり、腰が痛くなってそれに耐えながら1時間以上走る苦行でした。そのため、つらい以外何もありませんでした。
それが今回は、楽しくというと変ですが、苦しさがだいぶ減って上ることが出来ました。機材の軽量化などもあると思いますが、事前に上れなかったらどうしようという緊張感が無くなり、精神的にリラックスできたのも大きいです。
また、回復の耐性も付いたのか、以前は八方の前は全く乗らず、ウォーミングアップも体力の無駄と思いせず、上った後は1週間体が動きませんでしたが、
今回は、前日に30km走って、当日朝もウォーミングアップで心肺を上げて問題ありませんでした。
また、これを書いている翌日も、体の疲れをほとんど感じません。明らかに今までと違います。
ついでに前日に居酒屋でお酒を3杯飲みましたが、大丈夫だったようです。さすがに早起きは、つらかったです。
パワーメーター導入も大きいです。
FTPが200Wあるのに、今までは平均150Wくらいになります。
今回は、平均170Wでした。しかし最後の3kmだけ、150Wに落ち込んでいます。これがペース配分ミスなのか?実力不足なのか?わかりませんが、途中まで180W平均で来ていたので、これを維持できるようにしたいです。
そもそも、1時間全力で漕ぎ続けることが出来るのは、八方ヶ原くらいなので、そういう場所で練習ができるようにもしていきたいです。
ついでに、体重の割には、FTPが低いような気がします。もっと頑張ってみたいと思います。
おそらく、タイム更新は、うまくやっても1年に1回でしょう。それも良くて数分かな?
1時間切るのは何年先かわかりませんが、年上の大先輩も余裕で1時間を切っているので、夢を捨てずに頑張りたいと思います。
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