ダンシングに正解はない?体の使い方、ロードバイクの動かし方とその効果とは

トレーニング
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ロードバイクの走行テクニックにダンシングがあります。いわゆる立ち漕ぎです。
やり方として、タイヤはまっすぐ走るとか、体は動かさないなど、いろいろ言われていますが、どれが正解なのでしょうか?
私はどれも正解だと思いますが、1つだけできればいいというわけではありません。いろいろなダンシングを身につけて、引き出しを増やすことで、航続距離を伸ばしたり、疲労を減らすテクニックが身に付きます。

効率が良い漕ぎ方と言えば、シッティングが一番良いです。
しかし、その筋肉だけ使っていると、その筋肉だけが疲れてしまいます。他に遊んでいる筋肉がたくさんありますから使わない手はありません。遊んでいる筋肉は、長時間働けず、効率も悪いかもしれませんが、シッティングの筋肉を休ませて回復させるだけの間に仕事をさせることが出来ます。

そんなダンシングの種類と使いどころについて分析してみたいと思います。

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なぜダンシングをするのか?

ダンシングの役割は、
・シッティングの筋肉を休ませている間に進む
・体重を利用して進む
・大きな推進力が欲しい時

となります。

一言にダンシングと言っても、やり方によって使う筋肉や目的が違います。詳しく見てみましょう。

ダンシングに正解は無い

ダンシングは、人それぞれの癖や発達した筋肉の違いもありますので、個性が出るところでもあります。

こうすれば良いというアドバイスはありますが、それは体幹やトレーニングなど、ロードバイクに乗る為のいろいろな筋肉が発達していないと、出来ないことでもあります。真似してみたけどできなかったというのは当然のことなので、根気よく練習することが大切です。

ダンシングは筋肉の分散および、合算

ダンシングは効率を目的にしていません。ですから、効率が悪いのは当たり前です。
空気抵抗も大きくなりますし、速筋も使うことになります。
どちらかというと、筋肉の分散(休憩)、または合算(スプリント)です。

主目的は、シッティングの筋肉を休ませるためです。
電動アシスト自転車も、ずっとモーターで走っていると、すぐに電気が無くなってしまいますが、楽なところは人間が漕ぐことで、より長く走れ、巡行距離を伸ばすことが出来ます。

もう一つに、瞬間的には、もがきを入れることで高出力を出すことも可能です。スプリントでは、ダンシングを織り交ぜて走ります。

以下に、やり方、目的別に、種類分けして考えてみました。

ダンシングは状況により、さまざま

ダンシングの種類

ダンシングは、基本的にお尻を上げます。それ以外のやり方には、いろいろなパターンがありますが、大きく分けると、
①ロードバイクを左右に振るか?
②上半身を動かすか?
③ハンドルは振るか?(蛇行)

となります。

これらを組み合わせることによって、目的別に走ることが出来ます。
効果のほどは、
①ストレッチ
②筋力分散
③休むダンシング
④スプリント、もがき
⑤激坂、悪あがき

が、使い分けられます。

以下の表は、どんな動きをすると、どのような効果が表れるかをまとめたものです。

車体を振らない(レベル1)

ロードバイクを動かさず、まっすぐ進むため、効率が比較的良い漕ぎ方です。
お尻を上げてお尻の痛みを和らげると同時に、体を伸ばしてストレッチしています。

慣れない人は、スクワットと同じように、太ももで体を持ち上げるので、非常に疲れます。
うまい人であれば、全身の筋肉に分散させて体を持ち上げるので、太ももの疲れは軽減されます。その時、若干前かがみになり、腕の方に重心がかかります
しかし、速筋はすぐ疲れるので、回数を減らさなければならないため、ケイデンスを下げます
体重を乗せて漕ぐため、一回ごとの踏み込みが強くなり、回転させるようなペダリングは出来ず、無駄な下方向の力が多く発生します下死点まで踏み切らずに体重移動することがコツです。

車体を左右に振る(レベル2)

レベル1に加えて、ロードバイクを左右に振ることで、一般的なダンシングになります。
車体を振ることで、体を振らずに、ペダルの真上に体を移動させられるので、無駄な体重の横移動を防ぐことが出来ます。

効率も良く、一時的にパワーを上げることに適しています。
スタートダッシュや、ちょっと車列から離れたときに追い付くときなどに便利です。プロも先頭交代で後ろに下がり、再度車速を合わせる時(後ろに付くとき)に、よくダンシングしています。

車体を振るというのは、ペダルの上死点の時に、足の位置が低くなります。わずかですが、体を上げる量が減ります。
また、足を上げるとき、膝など各関節を曲げなければなりませんが、車体を倒すことで、上半身を動かさずに関節の曲げる量を減らしています。(わずかですが)

下の写真のように、曲げる方の足を体から遠ざけることで、体が逆側に倒れることを防ぎます。
基本、人間が一番重いので、その重量(上半身)はぶれない方が、力の効率が良くなります

体(上半身)を動かす(レベル3)

基本的に、重い上半身を振ってしまうと、無駄な力が発生します。
ペダルに全体重を乗せることは出来ますが、それを戻すのに、無駄な力を使ってしまいます。
動かすとしても、頭や肩の位置は動かさないのが基本です。
もう力が出ない、坂が登れない、最後のスプリントなどの時は、なりふり構わず、全身で漕ぐこともあります。
休むダンシングも、足を休ませるために無駄だとわかっていて、上半身を動かす場合があります。

体を振ると言っても、プロの方の美しいダンシングは、上半身が蛇のような、くねくねと波打つような動きは理想的です。よく、肩甲骨からの背筋の連動などと言いますが、このことなのかな?と思います。ある程度うまい人であれば、みんなできています。私はあこがれますね。

ハンドルを振る(蛇行する)(レベル5)

ハンドルを振るというのは、蛇行するということです。
蛇行は、直線的に走らないので、進む効率は悪くなりますが、
・激坂などで、斜度をやわらげる
・もがきの体のふらつきを受け止める
・左右の体の動きを、推進力に変える

為に、行います。

激坂では、スピードが遅くなりすぎると、倒れそうになります。それを受け止める役目もします。
また、斜めに進むので、進む距離を稼いで、わずかですが斜度が減ります

最後のゴール前の直線では、スプリンターたちがもがき合いますが、全身の筋肉を使ってペダルを踏みますので、体が左右に動きます。その動きを受け止めて、ロードバイクが倒れないようにかつ、ペダルに力伝えるためにハンドルを振ります。
ただ、プロの映像を見てみると、急加速の時の数秒間だけで、スピードが乗ってしまうと、まっすぐ走らせているようです。(そんなに長く加速は出来ないため)

最後にプロはあまりやりませんが、登りなどでへこたれてくると、ハンドルを振って蛇行しながら進みます。私はよくやりますが、リズムを取って多少楽になります。
スピードを競うというより、確実に上っていくための方法です。

休むダンシング

よく言う休むダンシングです。私が完璧にできるかというと疑問ですが、とにかくリラックスして、ケイデンスを下げて上半身をリズムよく動かし、バイクを振って、シッティングの筋肉や速筋をあまり使わずにダンシングをします。

私の個人的な意見ですが、この休むダンシングは、腕で体を持ち上げていると思います。そのため、少し前傾になります。
よく、手に体重はかけないと言います。確かに、ハンドルに重心をかけ続けると、ハンドルをうまく使えず、バイクコントロールが出来なくなりますが、瞬間的に手に重心をかけて、体を跳ね上げているような気がします。その時、腕、肩、背筋などの上半身の筋肉全体を使うことで、軽く、優しい動きになっていると思います。
上半身全体に力を分散させることができれば、楽な力で、ハンドルに完全に体重が乗ることもなく、ロードバイクがぶれることも無いので、やはり、体幹や練習がものを言うと思います。

競輪選手のスプリント

競輪選手は、ダンシングしないと思われます。座ったまま、足の筋肉だけで、大パワーを出します。
勝負は瞬間的なパワーで決まるので、筋肉を休ませるという概念はありません。

プロのフォームをよく見よう

プロの真似をするのが近道ですが、やはり鍛えないと、あのシッティングにしろダンシングにしろ、マネは出来ません。
よく、プロのレースを見に行く人は、機材ばかり見る人もいますが、私は漕ぎ方ばかり見てしまいます。
やり方だけでなく、どんなシチュエーションで使っているのかなども考えながら見ると、勉強になります。

いろいろな使い方のあるダンシングですが、一朝一夕にはうまくいかないので、いろいろ試してみて、ものにしてみてください。

これであなたもダンシングヒーロー!

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